ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「皆さんは犯人捜しをしないように。憶測を第三者に話すこともないようお願いします」

逆に名誉棄損で訴えられたら、こちらが不利になるからだろう。

「アシェンへの対応は任せてほしいと海崎オーナーから言われています。我々がしなければならないのは、幽霊が出たという噂の火消しです。事務と私で対策を考えてみました」

スクリーンの画像が切り替わり、対策案が映し出された。

宿泊予約客の不安解消のための窓口の設置、幽霊が出たという苦情はこれまでに一件もなかったという事実の公表や、ホームページを明るいイメージに作り変えることなど、十個以上の対策が書かれている。

(全部やるべきだと思うけど、それだけじゃ火消しには足りない気がする)

鈴花はメモを取りながら考え込む。

「他にアイディアがあればぜひ聞かせてください」

神山に言われて鈴花は手を上げた。

「デラックスルームの全五部屋にひと晩カメラを置いて、ライブ配信するのはどうでしょう? もちろんお客様の宿泊がない時にです」

幽霊が出ないということを手っ取り早く証明できる方法だと思っての発言だ。

「SNSにはSNSで対抗? 同じ土俵に乗らなくても」と年配職員の意見が聞こえたが、後方から賛同する声も上がった。

「すごくいいと思います」

その聞き覚えのある声に驚いて振り返ると、最後列のはしに怜奈が座っていた。

(えっ、怜奈さんもいたの?)
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