ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
恥ずかしすぎて答え方がわからず、目を逸らして頷く。

『残念だけど、そろそろ切るよ。鈴花はもう寝ないとな。おやすみ、いい夢を』

「うん。おやすみ……」

(こんなの、ドキドキして眠れないよ)

電話を切っても熱が冷めない携帯を抱きしめ、ベッドに転がる。

彼の愛情を味わえたので、もう心細さは消えていた。



翌日の昼前に、バックヤードの会議室で四十人ほどの従業員が集まっていた。

昨日、海崎から指示された火消しの対策会議中だ。

ズラリと並べた長机の最前列に鈴花は着席している。

進行役は真紀で、まずはスクリーンを使いこれまでの状況を説明してくれている。

「現在、宿泊予約のキャンセルはデラックスルーム以外にも及んでいます。客室稼働率は例年の三十二パーセント減です」

深刻な数字に皆が押し黙った。

鈴花はペンを握りしめ、アルマの嫌がらせには絶対に負けないという気持ちでスクリーンの数字を睨んでいた。

続いて前に出て話すのは神山だ。

「まだ皆さんに話せる段階ではありませんが、投稿者アシェンの正体はわかっています」

会議室内のあちこちから驚きの声が上がった。

デュボワ父娘を疑うヒソヒソ声の会話も聞こえくる。

(みんなも怪しいと思ってたんだ。そうだよね。思いつく限り、トラブルがあったお客様は他にいないもの)

神山が続ける。

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