ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「はい。発案者として、ホテルのために体を張って検証します」

大きな拍手が湧いた。鈴花も拍手して、怜奈をすっかり見直していた。

(怜奈さんすごい。感動しちゃった。今までいい印象を持てずにいてごめんなさい)

心の中で謝罪した直後に、怜奈の口から思いがけない言葉が飛び出す。

「万が一、本当に幽霊が出たら怖いので、杏野さんとふたりで泊って検証しますね」

(なんで私と!?)

幽霊投稿が嘘だとわかっていても、鈴花も怖い。

ただでさえ夜勤が苦手なのに、問題の部屋に泊るなんてという心境だ。

夢美や真紀とならまだしも、友人でもない怜奈とふたりで長時間過ごすのも苦痛である。

「杏野さんはそれでいいの?」

神山に聞かれ、断りたかったができなかった。

「は、はい……」

誰だって検証係はやりたくないだろう。

人が嫌がる係を進んで引き受けた小学生時代から、お人好しは変わっていない。

(大丈夫、ひと晩だけだもの。動画も短いものにするって言ってたし、寝顔をあまり写さないようにしてもらえたら……うっ、自分の寝姿公開とか、考えただけでしんどい)

鈴花が引き受けたところで時間切れとなり、対策会議は終了した。

スタッフたちが出ていった会議室内で、怜奈に声をかける。

「怜奈さん、いい案を出してくださってありがとうございました。一緒に頑張りましょう」

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