ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「正直怖いけど、そんなことも言ってられないよね」

決意に満ちた顔の怜奈を、初めてかっこいいと感じた。

「私、感動しました。怜奈さんの熱い職場愛に」

海崎を狙っていなければ仲よくなれたかもしれないと思ったのに、なぜか吹き出された。

「杏野さんって熱血漢なの? やめてよ。私はそういうんじゃないから」

「えっ、でもホテルのために体を張るって……」

「あの場ではそう言った方がいいと思っただけ。ここだけの話、検証とかどうでもいい」

笑っている彼女をまじまじと見てしまう。

「それなら、どうして検証役を買って出たんですか?」

「もちろん海崎オーナーに気に入られるために決まってるでしょ。私が頑張って客足が戻ったら感謝されるよね。もしかすると検証中に気になって見にきてくれるかもしれないし。その時は杏野さんは気を利かせてどこかに行ってね」

(感動を返して)

裏切られたような心持ちだが、怜奈らしいとも言えるので妙に納得した。

(動機はどうあれ、やる気になっているんだから大丈夫……だといいけど)

不安を感じていると、会議には出席していなかった夢美が入ってきた。

「あ、いたの? ここ片づけちゃってもいい?」

「うん。私たちも片づけ手伝うよ」

「鈴花はこれから遅番で勤務だよね? 時間なくなるからお昼ご飯、食べた方がいいんじゃない?」

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