ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
ザ・リンドン・ハートリーは世界各地に系列ホテルを持っているが、創業の地であるイギリスの法人がいわば親会社のような存在である。

この件を短期間で解決できなければ日本法人をグループから外し、ホテル名の変更を要求すると厳しいことを言われたそうだ。

(そんなところにまで影響が及んでいたなんて……)

教えてくれなかったから寒い日は豚汁がよりおいしくなるだとか、のんきな会話をしてしまった。

(譲は苦しんでいたのに察してあげられなかった。妻失格だ)

「全然気づけなくて、くだらない話ばっかりして本当にごめん」

眉尻を下げると、手を握られた。

「謝らないで。むしろ、お礼を言いたいくらいだ」

「どうして?」

「鈴花の楽しい話で気持ちが楽になった。そうしたら、友人に会いにいこうと思ったんだ」

大学生時代の友人にこっちにいるなら飲みにいこうと誘われていたが、それどころではなかったので一度は断っていたそうだ。

海崎から再度連絡し、学生時代にたまに行ったパブで会ったという。

「お互いの近況を話す中で、ホテルを経営している話と幽霊投稿の話題を出したんだ」

アルマの名を伏せ困っている状況を打ち明けると、友人が携帯でなにかを調べ始めた。

『こんなの見つけた』と言って見せてくれたのは、当ホテルの宿泊客と見られる人の半月ほど前の投稿だったらしい。

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