ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
湯の中で自由になった胸をもてあそばれて身をよじると、キスが一段階深くなる。

(職場なのに、いいのかな……)

背徳感は彼を求める熱い気持ちに押されて見えなくなる。

(こんなにも譲が愛しい。昨日より今日。今日より明日。愛しさが際限知らずに膨らんで、この先どうなっちゃうんだろう)

怖いようで楽しみだ。愛情の最大値がどれくらいなのかを実感してみたくなる。


「譲」

「ん?」

「すごく、愛してる……」

熱い吐息交じりに告白すると、一瞬驚いたように眉を上げた彼が挑戦的な顔をした。

「俺の方が愛してる」

「私だよ」

「いや、俺だ」

キスをして体に触れて求め合い――最高の温泉と極上の愛情にどっぷり浸かりながら、聖なる夜が更けていった。



三週間ほどが経ち、新年のお祝いムードも薄れてきてホテルは平常運転だ。

早番でフロントカウンターに立っている鈴花は、パソコンで予約状況を確認していた。

(うん。すこしずつ回復してきてる。よかった)

キャンセルはほとんどなくなり、休日の客室稼働率は平年の八割ほどといったところだ。

従業員が一丸となってこの危機を乗り切ったと言いたいところだが、実際のところはデュボワ父娘が自滅した影響でホテルの信用が回復したのかもしれない。

(なんだか、あっちは大変なことになってるけど……)

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