ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
そっとドアを開けると、温泉の香りとほのかな湯気に包まれる。

デラックスルームは檜の浴槽で、海崎が足をのばしてもまだ余裕がある。

無色透明のお湯の中に彼の肉体美が揺らめきながら見えて、心臓が波打った。

「おいで」

呼びかける声が艶めいて聞こえ、さらに鼓動が高まる。

おかしな気分になりそうなのでわざと明るく笑った。

「いつも点検してるお風呂に自分が入るなんて、変な気分」

彼が長い足を曲げてスペースを作ってくれたので、かけ湯をしてから隣に入った。

冬期間なのでガラス戸は完全に占めているが、それでも肌寒く温泉のお湯が熱く感じる。

(でもこれが温泉って感じがする。あ、もう慣れてきた。気持ちいい)

湖は真っ暗でなにも見えないが、チラチラと降る雪が少し見える。

「肌がツルツルするね。今までお客様にスベスベになりますって説明してたけど、ツルツルの方が近い表現かも。譲が言った通り、実際に入ってみないとわからなかった」

自分の腕を撫でて感触を楽しんでいると、海崎に肩を抱き寄せられた。

「俺も、感触を記憶しないとな」

(私の腕で?)

大きな手が鈴花の腕をゆっくりと上下する。

その撫で方が淫らな感じがして、思わず「んっ」と甘い声を漏らした。

ハッとして口を押えたがもう遅い。

男の顔をした彼に唇を奪われ、バスタオルの折り目を解かれた。

< 231 / 242 >

この作品をシェア

pagetop