ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
それを誰かに聞いたらしく、『オーナーが来るって本当は知ってたんでしょ。卑怯よ』と言いがかりをつけられた。

それ以降、ずっとこのような態度だ。

(それだけでかなり怒ってるのに、一緒に露天風呂に入って、シャンパンで乾杯して同じベッドで寝たって言ったらどうなるんだろう? 怖い……)

なるべくラウンジカフェを見ないようにして接客し、お昼休みになった。

「休憩入ります」

ロッカールームからお弁当袋を持ってきて、休憩室に入る。

(えっ、人がいっぱい。なんで?)

十二人のスタッフが座卓でそれぞれの昼食をとっている。

いつも空いているのにと思いながら、夢美と真紀の向かいに座った。

「混んでますね」

「他の部署の休憩室、暖房修理中だって」

「そうなんですか」

築年数は二十年ほどになるので、そろそろあちこち壊れる頃なのかもしれない。

「夢美、今日の事務室どうだった?」

「平和だよ。キャンセルの電話が一件もなかった。嵐が去って逆に物足りない感じ」

平和が一番だと三人で笑い合い、ランチバッグから二段のお弁当を出した。

その蓋を開けると、両方とも焼き鮭をのせたご飯で「あっ」と声が漏れた。

(ということは、譲が持っていったお弁当は二段ともおかずってことだ。どうしよう)

固まっていると、パンを食べている真紀に「どうした?」と聞かれた。

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