ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
お弁当を見せると、説明しなくても察してくれる。

「あー、高校時代が懐かしい。うちの弟ともそれあったわ」

夢美がイチゴオレを飲みながら、ウフッと意味ありげに笑う。

「交換しに行けば? オーナー室、すぐそこだよ?」

「しー! いいよ、このまま食べるから」

誰かに見られそうで怖いので交換しにいけない。

彼はおかずだけのお弁当になるが、隙間がないくらいぎゅうぎゅうに詰めたので量は足りるだろう。

「いただきます」

箸を持ったその時、ドアが勢いよく開けられて怜奈が飛び込んできた。

「杏野さん、どういうこと!?」

「な、なんのお話でしょう……?」

心当たりはないが、明らかに怒っている様子なので海崎に絡んだことだろう。

「あの、場所を移し――」

「検証の日、海崎オーナーとひと晩過ごしたの? 客室からふたり一緒に出てきたっていう噂、聞いたんだけど」

(あっ……)

クリスマスの朝、清掃スタッフが廊下にいるのは気づいていたが、こちらに背を向けていたので見られていないと思っていた。

(どうしよう。噂になってるの?)

チラッと夢美と真紀を見ると、揃って首を縦に振られた。

(教えてよ!)

「あの、なんのことかわからないのですが。誰かの見間違えでは?」

ごまかそうとしたその時、今度は海崎が入ってきた。

その手にはランチバッグがさげられている。

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