ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「なんのためにドアをつけたの?」

「鈴花を守るために」

「えっ……?」

隆矢が復縁を求めて押しかけてこないか、まだ心配していると言われた。

「大丈夫だよ。十代の若い子にモテてるらしいから、私のことは忘れて楽しくやってると思うよ」

現にあれから音沙汰はなく、もう完全に縁が切れたつもりでいる。

「彼が十代の女性にフラれても、大丈夫だと言い切れる?」

「それは……」

この田舎だと東京出身がスペックになって、若い女性とも付き合えるような話を隆矢がしていた。

逆に言えばそれ以外は、これといって好かれる要素はないということだ。

(東京出身というワードに新鮮味がなくなったら、すぐに捨てられるんじゃ……?)

「で、でも婚姻届にサインして見せたもの。モテなくなっても、結婚した私とはやり直せないと思うでしょ?」

そうであってほしいという願いを込めて反論したが、不安を投下される。

「別々に暮らしているのに気づかれたら、婚姻届は出していないと思う可能性もある」

「そうかも……」

「だから隣に引っ越して、室内ドアで繋げた。玄関は別だが、一緒に住んでいるとも受け取れる間取りだろ? そのドアは鈴花の許可なく開けないと約束するよ」

怒りは急速にしぼみ、心配して苦肉の策を講じてくれた彼に今は申し訳なさを感じる。

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