赤い糸。



その夜。


ひさしぶりに
夢を見た。


小さな男の子が


わたしに

手を振ってる。


だれ?


だれ?






...ピピピ...ピピピ...


アラームの音に起こされた。



『朝か。』


ふとケータイを見ると


チカチカ光っていた。


ひらけると

『新着メールあり』


知らないアドレスからだった。




『...だれやろ』


目を擦りながら

メールを読む。



『小林です!

昨日は楽しかったな。

またあそぼーな




『あ。小林やぁ。』


パッと目が覚め


イソイソと

メールを打つ。


カチカチ。


『小林、声変わりしてたから

違うひとみたいやったよ。


...



ゆきにヨロシクって昨日強く言われたし


でも、小林、

今東京の大学院にいってて


たまたま夏やから


実家に
帰ってきてるだけやし...



ゆきの為に

と思いながらも

わたしも

なんとなく

また会いたかったから

小林ともう1回会える作戦を考えてみた。



『小林が、東京帰るまでに

また遊ぼ。

ゆきも遊びたいってゆってたし。

あ。夏やし

海でも行こーよ』


よし。

我ながら、いい誘い方。



送信。


ピッと。





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