WINNER
「九条が好き!九条じゃないとダメなの!
だから死んじゃイヤ!私を一人にしないで!!」
大声で泣き叫んで九条を揺さぶると
「ホントに?」と低い声で九条は一言。
え―――?
涙で視界がくすんでいるけど、九条の背後からドスっとこれまた高級そうな革靴が九条の頭を蹴った。
「へ!?」私は思わず間抜けに目を開いた。
「いー加減、猿芝居は止めろ、痴話喧嘩なら家でやれ」
確か……斎藤さんを拘束していたあの男の人…この人も刑事さんだろうけど
「痛て!ちょっ!マジでいてーよ!」
「非公式に警察の俺らが動いてやったんだ。文句言うな。つか従兄弟だからって人使い荒すぎなんだよ。自分のことは自分で何とかしろ」
非公式……?従兄弟……?警察…?
「てか九条……大丈夫なの?だってあんなに血が……」
九条はジャケットをぺらりとめくると
「あー、これ?昼間アメリカンドック食ったときについてきたんだけどさー、俺ケチャップ付けない派だから。コンビニのおねーさんがやたらとサービスしてくれてサ。それがポケットに入れたままになってたみたい」
ってことは……
「お嬢さん?それは血じゃなく、ただのケチャップよ」とアヤメさんが教えてくれて「ふふっ、可愛い彼女ねぇ」と笑う。
血じゃなく、
ケチャップーーーー!!!!