WINNER
その誰だか分からない男女の……女性の方が街灯の下姿を現し、
あ…さっきの、スカイラウンジで九条と会ってたあのパンツスーツの美人!?
「警察よ、斎藤 美織、午後10時15分、殺人未遂及び傷害罪で現行犯逮捕する」
え…!警察!!?彼女はドラマや映画で見るよく目にする警察バッジを掲げ
「陽妃ちゃん!」
そのアヤメと呼ばれた女性警官の後ろから、陸ちゃんがかけてきて
へ?陸ちゃんも!?
もう何が何だか分からない状態。
捉えられた斎藤さんは尚も喚いていたが、捉えた男性が腕を捻り上げたのだろうか、すぐに大人しくなった。
それよりも
「九条っ!」私はまだ蹲っている九条の元にしゃがみこんだ。九条の白いシャツは脇腹にべったりと赤い染みがついている。
やっぱり刺されたのだ!
「九条っ!九条!!大変!血が、き……救急車…」震える手でスマホを取り出すと、その手を九条はやんわりと剥がした。
「仁科ぁ」と切り切れの声で私に何かを伝えようとする九条。
何……
「さっきあのおっさんに言ったこと、訂正させて?
大切なもんは離しちゃいけないと思ってたけどさー、愛するって、その人の幸せを願うもんだったわ。
俺、好きなんだよ、お前のこと。何を投げ出したっていい。お前には笑ってて欲しいんだよ。
お前は昔からまっすぐで、何にも媚びず自分の足でいつもしっかり立ってた。それがすげぇかっこよくて、憧れてた。
こんなふがいない俺でごめんな。
お前を幸せにしてくれるのは、あのおっさんしかいねぇのかもな」
九条……
「何言ってンのよ!!私は…」じわり、と目じりに熱い涙が溜まっていくのが分かった。それはまばたきすることで簡単に零れ落ち、私の頬を熱く濡らす。
うっすらと黒くなった部分がどんどん侵食してそれはどんどんどんどん、黒く染め上げていく。
「私だって昔からチャラくて、いい加減で、自由で……でもいっつも九条の周りには人がいてそんな九条のこと…羨ましいって…」
バカな私。こんなときになって初めて自分の気持ちにちゃんと向き合ったなんて。
いつまでも逃げてちゃダメだ。
私は…