WINNER
もしかして人違いで刺されそうになったって言うの!?
「あー、美織ちゃんは俺の後輩のセイヤの姫で、セイヤが盲腸で入院したとき代打を頼まれたんだワ。太客だからどうしても逃したくないって、店外デートは一回こっきり」
はぁ!?てかセイヤも九条もあんたら、揃ってクズ!!
「そ、だから仁科さんと別れろ、と言う脅迫状がこいつの前の店に届いたってワケ。セイヤなる男はまだそこで働いてる」
と、九条の従兄弟だと思われる刑事さんの男の人がそっけなく説明をくれ
「要くんとセイヤは背格好や髪形が似てるから、斎藤はセイヤとあなたが付き合ってるって勘違いしたみたいね」とアヤメさんが気の毒な物を見る目つきで同情気味に私に説明してきた。「あなたの所に届いた脅迫状の指紋も斎藤のと一致したし」ペラっとアヤメさんは私の元に届いた脅迫状を取り出し、九条が持って行った脅迫状とカッターの刃……ちゃんと刑事さんたちが調べててくれたんだ。だから九条は私には何もするなって、こと…
でも……それって…
「逆恨みもいい所じゃない!しかも勘違いって!」
私はあんなに怖い思いしたのよ!
全てが終わって『勘違いでしたー』で済まされると思う!?
「斎藤さん……私、聞きました。横領の疑惑があるって、それは本当なんですか?」
私は立ち上がると、アヤメさんに拘束されている斎藤さんを睨んだ。
「本当よ」斎藤さんは隠すことなんて最初から考えてなかったのだろう、顔を伏せながらもあっさりと白状した。
「だって、お金が必要だったのよ。セイヤと会うために。セイヤだけは私を女として見てくれた。ちやほやしてくれた。何度も何度も可愛いって言ってくれた」
あ・の・ねぇーーー!!
「いい歳した大人がそんな軽いホストの口車に乗せられてンじゃないわよ!
現にセイヤとか言うホストに貢ぐ為、横領までしでかしたのよ、あなた!犯罪よ、犯罪!!」
斎藤さんを指さすと、斎藤さんはまたも目を血走らせ口を開いた。
「”勝ち組”のあなたには分からないわよ!」
出たよ、『勝ち組』だから私は勝ち組でもなければ負け組だとも思ってない。何が勝ちで何が負けなのか他人に判断されたくない。
「あなたには分からないわよ」斎藤さんは続けた。「あなたみたいな美人で若くてスタイルが良くて、仕事ができて脚が長くて、きれいで、きさくで気取らなくて男の人からちやほやされて、人気があってきれいで!だからカナメくんみたいな若くてかっこいい男の子を彼氏にできて!」
………
これって…ディスられてンの?褒められてるの??