もう、幼馴染じゃいられない。
――キーンコーンカーンコーン…


「終わった…!よし、今から昼ごはん♪」


嬉しいなっ…


あれ…まだ、来てないんだ。理世…


……探しに行くか?


いや、行く義理もないし……


「ひーなの」


「あっ、那桜…!」


「お昼ご飯、一緒に食っかー」


「ふふっ、その口調変わらないね。可愛い言い方と悪めの言い方が混ざってるってやつ」


「いいでしょ、いいでしょ?」


彼女は清水(しみず)那桜(なさ)


黒髪ポニーテールがよく似合う、めっっっっっちゃ美人な顔立ち。


私みたいな不細工、足元にも及ばない。


「あの、那桜…」


「ん?どした、改まってよ」


「ちょっと…行きたいところがあって……今日は、ごめ……!!??」


目をギンッと見開いて、私に顔をどんどん近づけて来る那桜。


「なーんーでーすーってー?どこだー!!」


「キャアアアアア!!待っ、那桜!?怖い!」


瞳孔が開いてる!


「うぅっ…り、り…」


「り?何?」


「りせ……を…探しに行くのっ……」


うっ、恥ずかしい…


顔が熱いよ……


「……っ、あー…」


何故か顔が赤い、貴重な顔をプレゼントしてくれた那桜。


「な、さ…?」


「こりゃあ、神崎がハマるのも分かるわなー…はぁぁぁぁぁぁぁぁ…」


クソデカため息をお見舞いされた私は、脳が大パンク。


パンクオブザパンク。


「那桜?脳から湯気が出そうだよ……ハマるって何?なんで理世が?」


「…はぁぁぁぁっ……相変わらず鈍感で何よりよ、私は。」


「は!?鈍感じゃないもん!」


「はいはい、分かりましたよ鈍感ちゃん。」


「ちがーう!」


「てか、早く神崎探しに行ったら?」


「あ!そうだった!じゃあ!」


廊下を早足で駆け抜ける。


どこよ!


少し進んだところで、足を止める。


ここ、は……


…古臭い空き教室だ。


錆びた扉。


少し割れた花瓶に、入っている花は赤い薔薇。


綺麗…


掃除されずに垢のようなものが残った窓ガラスが、私を引き寄せる。


全身の力を込め、扉をガラッと開ければ―――
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