君の世界から抜け出せない
ひとりぼっちの暗闇
小学3年生の頃。
この頃の私は誰でもみんな優しくて友達になれると信じていた。
当時仲良かったのは、玲奈ちゃんと沙月ちゃんと朋花ちゃんと茜ちゃんの4人。
玲奈ちゃんは両親が共働きでしっかり者。
私より気が強いけど、お母さんみたいに私は玲奈ちゃんを慕っていた。
沙月ちゃんはいわゆる"小ギャル"。
私たちはまだ小学3年生なのに、1人だけ髪を明るい茶色に染めていてネイルまでしていた。
みんなを盛り上げてくれる明るい子。
朋花ちゃんはボーイッシュでかっこいい。
いつもシンプルな服装なのに彼女のスタイルの良さが逆に際立っていた。
沙月ちゃんのボケに1番にツッコミを入れるのはいつも朋花ちゃんだった。
最後に茜ちゃん。
茜ちゃんは4人の中で1番私と相性が良かった。
玲奈ちゃんと同じ保育園出身でお淑やかな子だった。私がバカな事でふざけてもいつも必ず笑ってくれていた。
私たちは同じ小学校だけどそれぞれの家は遠い。
しかも私は登下校の時は別の子といたから、私たち5人で遊ぶのは決まってお昼休みだった。
いつも鬼ごっこか、かくれんぼをする。
最初の頃はジャンケンで鬼を決めていたのにいつしか当たり前のように私が鬼をやるようになった。
「百合!追いかけるのは私たちが逃げてから、でしょ?なーに,急に走り出してんの〜」
「百合ったら、いつもズレてるよね!」
"ズレてる"って何?
何がズレてるの。
「あはは、間違えちゃった!
目瞑って待ってるね〜、30秒後に始めるよ!」
この時に感じた違和感にちゃんと向き合っていれば、結果は違ったのかもしれない。
けど、私には勇気がなかった。
"私の何がズレてるの?"
"どうしてみんなは鬼をやらないの?"
浮かんでくる疑問を必死で押し込んでいた。
私はこの頃から日常的に腹痛を感じるようになっていた。
お昼休みの前になると必ず、キリキリとした痛みが私のお腹に現れる。
走り回って鬼をする元気が無くて、私はみんなに今日は鬼をするのは難しいと言った。
「お腹痛いって。トイレ行けば?」
そういう痛みじゃないの。
いくらトイレに行っても、カイロで温めても治らないの。
言いたいのに、玲奈ちゃんの顔を見ると私の言葉が空に消えていく。
「お腹痛いなんてよくあることじゃん!
早く始めよう?百合、30秒後だよー」
助けを求めるように茜ちゃんに視線を送ると、すぐに逸らされてしまった。
友達、でしょ?
なんで。
私が困ってるって気づいてるはずなのに。
結局、私はみんなの後ろ姿を見送るとそれとは反対方向に向かった。
着いたのは、校庭の端にある小さな空間。
ここは児童が自然と触れ合う目的で小さな川とか池とか大きな桜の木なんかが配置されている。
桜の木が太陽を遮るでここは薄暗い。
学校には虫が苦手な子が多いから、授業以外でここに寄りつく児童は滅多にいない。
私はここに逃げ込むようになっていた。
大きな桜の木が私を隠してくれる。
この日もいつものように桜の木に身体を預けて息を潜めていた。
「こんなとこにどうした?百合、虫苦手だよな」
気づいたら冬馬が私の目の前にいた。
「あ!さては理科の宿題終わってないんだな?」
何を思ったのか私は咄嗟に冬馬に嘘をついた。
「そ、そうなんだよね〜。なんか今回の葉のスケッチが上手くいかなくて。」
「珍しいな。俺、手伝うよ。」
冬馬といるところを玲奈ちゃんに見つかったらどうなる?
確か前に玲奈ちゃんは冬馬を好きって言っていた気がするし、私が実は鬼をやっていないってバレたらどうなるんだろう。
バレちゃいけない気がする。
「いや、大丈夫だよ!ここまで来たら1人でやりきりたくって!」
冬馬に心のうちをバレないように必死で元気な私をつくろう。
「そっか。じゃあ困ったら俺に頼れよ。
家も近いんだし、な?」
「ありがとう〜」
「ん、頑張れよ。」
私は寂しい気持ちを抱えながら去っていく冬馬を見送ることしかできなかった。
この頃の私は誰でもみんな優しくて友達になれると信じていた。
当時仲良かったのは、玲奈ちゃんと沙月ちゃんと朋花ちゃんと茜ちゃんの4人。
玲奈ちゃんは両親が共働きでしっかり者。
私より気が強いけど、お母さんみたいに私は玲奈ちゃんを慕っていた。
沙月ちゃんはいわゆる"小ギャル"。
私たちはまだ小学3年生なのに、1人だけ髪を明るい茶色に染めていてネイルまでしていた。
みんなを盛り上げてくれる明るい子。
朋花ちゃんはボーイッシュでかっこいい。
いつもシンプルな服装なのに彼女のスタイルの良さが逆に際立っていた。
沙月ちゃんのボケに1番にツッコミを入れるのはいつも朋花ちゃんだった。
最後に茜ちゃん。
茜ちゃんは4人の中で1番私と相性が良かった。
玲奈ちゃんと同じ保育園出身でお淑やかな子だった。私がバカな事でふざけてもいつも必ず笑ってくれていた。
私たちは同じ小学校だけどそれぞれの家は遠い。
しかも私は登下校の時は別の子といたから、私たち5人で遊ぶのは決まってお昼休みだった。
いつも鬼ごっこか、かくれんぼをする。
最初の頃はジャンケンで鬼を決めていたのにいつしか当たり前のように私が鬼をやるようになった。
「百合!追いかけるのは私たちが逃げてから、でしょ?なーに,急に走り出してんの〜」
「百合ったら、いつもズレてるよね!」
"ズレてる"って何?
何がズレてるの。
「あはは、間違えちゃった!
目瞑って待ってるね〜、30秒後に始めるよ!」
この時に感じた違和感にちゃんと向き合っていれば、結果は違ったのかもしれない。
けど、私には勇気がなかった。
"私の何がズレてるの?"
"どうしてみんなは鬼をやらないの?"
浮かんでくる疑問を必死で押し込んでいた。
私はこの頃から日常的に腹痛を感じるようになっていた。
お昼休みの前になると必ず、キリキリとした痛みが私のお腹に現れる。
走り回って鬼をする元気が無くて、私はみんなに今日は鬼をするのは難しいと言った。
「お腹痛いって。トイレ行けば?」
そういう痛みじゃないの。
いくらトイレに行っても、カイロで温めても治らないの。
言いたいのに、玲奈ちゃんの顔を見ると私の言葉が空に消えていく。
「お腹痛いなんてよくあることじゃん!
早く始めよう?百合、30秒後だよー」
助けを求めるように茜ちゃんに視線を送ると、すぐに逸らされてしまった。
友達、でしょ?
なんで。
私が困ってるって気づいてるはずなのに。
結局、私はみんなの後ろ姿を見送るとそれとは反対方向に向かった。
着いたのは、校庭の端にある小さな空間。
ここは児童が自然と触れ合う目的で小さな川とか池とか大きな桜の木なんかが配置されている。
桜の木が太陽を遮るでここは薄暗い。
学校には虫が苦手な子が多いから、授業以外でここに寄りつく児童は滅多にいない。
私はここに逃げ込むようになっていた。
大きな桜の木が私を隠してくれる。
この日もいつものように桜の木に身体を預けて息を潜めていた。
「こんなとこにどうした?百合、虫苦手だよな」
気づいたら冬馬が私の目の前にいた。
「あ!さては理科の宿題終わってないんだな?」
何を思ったのか私は咄嗟に冬馬に嘘をついた。
「そ、そうなんだよね〜。なんか今回の葉のスケッチが上手くいかなくて。」
「珍しいな。俺、手伝うよ。」
冬馬といるところを玲奈ちゃんに見つかったらどうなる?
確か前に玲奈ちゃんは冬馬を好きって言っていた気がするし、私が実は鬼をやっていないってバレたらどうなるんだろう。
バレちゃいけない気がする。
「いや、大丈夫だよ!ここまで来たら1人でやりきりたくって!」
冬馬に心のうちをバレないように必死で元気な私をつくろう。
「そっか。じゃあ困ったら俺に頼れよ。
家も近いんだし、な?」
「ありがとう〜」
「ん、頑張れよ。」
私は寂しい気持ちを抱えながら去っていく冬馬を見送ることしかできなかった。