溺愛、しないで
「ッ……!!!」
「でも、次はねえ。ちゃんと当店のルールには従ってもらわないと。ねえ?お客さん」
「すみません、すみませんでした……!」
情けないほどにがくがく震える男の体と声。
俺は煙草をゆっくりと男から離し、店長に後を任せてからVIPを出たのだった。
停めていた車に乗り込み、病院へ戻る道中、俺はあることを思いついて口を開く。
「銭次、明日一千映に面接させるから店長に話しとけ」
「え?いーちゃんに裏の仕事させるんスか?」
「んなわけねえだろ、表のバーで働かせんだよ。そしたら俺が仕事中でも一緒にいられるだろ」
「はあ……了解っス」
半ば呆れたような表情でハンドルを切る銭次を横目に、俺は一千映にもうすぐ着くとメッセージを送った。