*主役じゃなくても*


「冬斗言ってなかったの?」


『お前言ったんじゃなかったのか?』


俺、雪夜が言ってると思ったんだけど…


「言ってないよ、僕。」


「で、なにが終わらないの?」


「あのね、ほら、プレゼントって、包装紙で包んであるでしょう。

その、包むのをやるんだ。」


『しかも、少しじゃなくて、半端ない量を・・・』


ほんとに、半端じゃないよ。


「なんだぁ。そんな事か」


はっ!?正気か?華?


『だから、すごい量なんだって!!』


「だって、要するに、ラッピングでしょう?

冬斗、あたし、ずっと、バイトしてるところ、何屋さんか知ってる?」


『・・・ラッピング専門店!!』


そうだった。

こいつの店は、ショッピングモールで買った商品とかを、プレゼント用にいろんな種類の包装してくれる。

「そう!!

そこの中でもすごくラッピング早いんだから。

正社員にならないかって言われてるんだよ。」


『お前スゲーんだな。』


そうだったんだ…


「なら、今年は、早く終わるかもね。」



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