独占愛は夜より深く。
やさしい。
驚くほどやさしいキスだった。
触れて、離れて、もう一度触れる。
確かめるみたいに大事にされるたび、胸の奥が甘くしびれていく。

「ん……」

小さく漏れた声に、要の腕に力がこもる。

「かわいい声、出すな」

「要のせい……」

「知ってる」

今度は額に、頬に、また唇に。
何度も大切に触れられて、頭の中が要でいっぱいになる。

こんなの、もう普通じゃない。
戻れない。
でもそれでいいと、思ってしまった。

唇が離れたあとも、要はすぐには距離を取らなかった。
近いまま、熱を帯びた目で私を見つめる。

「紗菜」

「……なに」

「もう逃がさない」

静かなその言葉に、胸がどくんと鳴る。

怖いはずなのに。
重いはずなのに。
どうしてこんなにうれしいんだろう。

要の指が、今度は私の手をゆっくり包む。

「おまえが嫌だって言っても、たぶんもう遅い」

「ひどい」

「うん」

「最低」

「それでも好きになったのは、おまえ」

返す言葉がなくなってしまう。
ずるい。ずるすぎる。

俯きかけた私に、要はまた小さく笑って、耳元で囁いた。

「ちゃんともっと好きにさせる」

そのひと言で、また心臓が跳ねた。
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