アンケート企画「強がりの嘘」
本編
すれ違う距離
春。
それは出会いと別れの季節であり同時に、
今まで当たり前だった距離を強制的に変えてしまう残酷な季節でもあった。
「覇犁、俺のいないところで妙なことに巻き込まれてないか? 変な奴に声をかけられたら、すぐに連絡するんだぞ」
スマホの画面越しに聞こえる魅杷の声は、いつも通り優しく、そして少しだけ切羽詰まった響きを帯びていた。
画面の向こうの彼は、新しく袖を通した高校の制服を着ている。
ほんの数ヶ月前までは同じ中学校の制服を着て、毎日一緒に登下校していたのに、
今の魅杷はどこか遠い世界の住人のように見えた。
「もう、魅杷は心配しすぎだよ。私、もう中学三年生だよ? 自分のことくらい、ちゃんと自分でできるってば」
覇犁は、ベッドに寝転がりながらわざと明るい声を返した。
私たちは中学校の一時期から付き合っている。
周囲からも「お似合いのカップル」と言われ、
自分たちでもこの関係がずっと変わらずに続いていくのだと信じて疑わなかった。
しかし、魅杷が高校生になり、別の学校に通うようになってから、二人の時間は急激に減ってしまった。
魅杷の通う高校は進学校で、部活動や日々の課題も忙しい。
一方で、覇犁はまだ地元の平穏な中学校に残されている。
それは出会いと別れの季節であり同時に、
今まで当たり前だった距離を強制的に変えてしまう残酷な季節でもあった。
「覇犁、俺のいないところで妙なことに巻き込まれてないか? 変な奴に声をかけられたら、すぐに連絡するんだぞ」
スマホの画面越しに聞こえる魅杷の声は、いつも通り優しく、そして少しだけ切羽詰まった響きを帯びていた。
画面の向こうの彼は、新しく袖を通した高校の制服を着ている。
ほんの数ヶ月前までは同じ中学校の制服を着て、毎日一緒に登下校していたのに、
今の魅杷はどこか遠い世界の住人のように見えた。
「もう、魅杷は心配しすぎだよ。私、もう中学三年生だよ? 自分のことくらい、ちゃんと自分でできるってば」
覇犁は、ベッドに寝転がりながらわざと明るい声を返した。
私たちは中学校の一時期から付き合っている。
周囲からも「お似合いのカップル」と言われ、
自分たちでもこの関係がずっと変わらずに続いていくのだと信じて疑わなかった。
しかし、魅杷が高校生になり、別の学校に通うようになってから、二人の時間は急激に減ってしまった。
魅杷の通う高校は進学校で、部活動や日々の課題も忙しい。
一方で、覇犁はまだ地元の平穏な中学校に残されている。