待ってください長谷川くん!
4話
(あ〜あ〜あ〜…やっちゃった…また嫌味言われてるんだろうなぁ〜…)
非常階段に座る香織は、書類を抱えたまま、グッタリと項垂れていた。
「まぁた、うるさい女とか思われてるんだろうなぁ…はぁ〜…」
「はぁあ〜…うっるさ〜……」
バンッと扉を開けて入ってきた誰かに、驚いて声も出せないでいた香織。
「コバエがいちいちキャピキャピと…はぁあ〜……あ?」
「……は、長谷川く…?」
「……本木先輩っ、お昼どうされたんですか?」
「いやいやいや…」
先ほどと変わらない懐っこい笑顔をして見せる誠に、手を伸ばして距離をとる香織は、首を横に振った。
「さすがに無理があるから」
「………ちっ…」
(ちっ…!?舌打ち!?)
衝撃を受ける香織は、開いた口が塞がらないまま、誠を見つめる。
香織の横の手すりに寄りかかると、誠は前髪をかき上げて、持ってきていた缶コーヒーを香織に放り投げた。
「わっ、わっ!?」
「本木センパーイ。僕、ランチ断ったんですよ〜。どーでもいい井戸端会議みたいなもんで、時間の無駄。程度の低い連中の愚痴聞き役にはなりたくないんで」
「…て、程度が低いっていうのは、どうかと思います…。皆さん仕事もしっかりされているし…そりゃ、多少の無理をお願いされてるから、文句が出てきてもいいじゃないですか…働いてるんですから、愚痴くらい言ってもいいじゃないですか…っ」
「……ふーん…」
コツっと革靴の踵が響く音が、非常階段に鈍く響いた。
すると、香織に屈んだ誠が顔を近づけてくる。
「そーいう甘っちょろいこと言うから、ダメ男に引っかかるんじゃない?おかんセンパイ」
「な…っ!や、やっぱりあの夜の…!」
「くっ…ははっ!あの時は面白かった〜。今朝も笑い堪えるの必至だったけど、まさかおかんセンパイが僕の指導係になるなんてね〜」
ニヤニヤと笑う誠を見て、顔を赤くする香織は、言い返せない悔しさからキッと睨んだ。
すると、グイッと顔を近づけてきた誠に、思わず怯んで後ずさった。
「ふ〜ん?仕事はできるみたいだけど、男運は壊滅。センパイって見る目ないですね。あ、コーヒー飲まないの?」
香織の手にある缶コーヒーを指差すと、プルタブを開けて仕方なくひとくち飲んだ。
「できる男を見る目、磨いた方がよくないですか?」
「なっ、なっ、なっ…!」
「たかが、こんな距離で顔赤くさせるなんて、どんだけ恋愛初心者なんです?」
香織に渡した缶コーヒーを取ると、グイッと飲んだあとに、ニヤリと笑う誠。
「僕がイイ男を教えてあげましょうか?」
「は!?」
「その代わり、今の僕のこと、誰かに言ったら……どうなるかわかってますよね?」
香織の手に缶コーヒーを押し付けると、顔を近づけて耳元で囁いた。
「僕、放っておきませんよ?」
ゆっくりと顔を離す際、香織と視線を絡めてニコッと笑った。
そして、非常階段の扉を開けて、ベッと舌を出してみせると、扉を閉めた。
(なん…なっ…なんなのあれー!?)
非常階段に座る香織は、書類を抱えたまま、グッタリと項垂れていた。
「まぁた、うるさい女とか思われてるんだろうなぁ…はぁ〜…」
「はぁあ〜…うっるさ〜……」
バンッと扉を開けて入ってきた誰かに、驚いて声も出せないでいた香織。
「コバエがいちいちキャピキャピと…はぁあ〜……あ?」
「……は、長谷川く…?」
「……本木先輩っ、お昼どうされたんですか?」
「いやいやいや…」
先ほどと変わらない懐っこい笑顔をして見せる誠に、手を伸ばして距離をとる香織は、首を横に振った。
「さすがに無理があるから」
「………ちっ…」
(ちっ…!?舌打ち!?)
衝撃を受ける香織は、開いた口が塞がらないまま、誠を見つめる。
香織の横の手すりに寄りかかると、誠は前髪をかき上げて、持ってきていた缶コーヒーを香織に放り投げた。
「わっ、わっ!?」
「本木センパーイ。僕、ランチ断ったんですよ〜。どーでもいい井戸端会議みたいなもんで、時間の無駄。程度の低い連中の愚痴聞き役にはなりたくないんで」
「…て、程度が低いっていうのは、どうかと思います…。皆さん仕事もしっかりされているし…そりゃ、多少の無理をお願いされてるから、文句が出てきてもいいじゃないですか…働いてるんですから、愚痴くらい言ってもいいじゃないですか…っ」
「……ふーん…」
コツっと革靴の踵が響く音が、非常階段に鈍く響いた。
すると、香織に屈んだ誠が顔を近づけてくる。
「そーいう甘っちょろいこと言うから、ダメ男に引っかかるんじゃない?おかんセンパイ」
「な…っ!や、やっぱりあの夜の…!」
「くっ…ははっ!あの時は面白かった〜。今朝も笑い堪えるの必至だったけど、まさかおかんセンパイが僕の指導係になるなんてね〜」
ニヤニヤと笑う誠を見て、顔を赤くする香織は、言い返せない悔しさからキッと睨んだ。
すると、グイッと顔を近づけてきた誠に、思わず怯んで後ずさった。
「ふ〜ん?仕事はできるみたいだけど、男運は壊滅。センパイって見る目ないですね。あ、コーヒー飲まないの?」
香織の手にある缶コーヒーを指差すと、プルタブを開けて仕方なくひとくち飲んだ。
「できる男を見る目、磨いた方がよくないですか?」
「なっ、なっ、なっ…!」
「たかが、こんな距離で顔赤くさせるなんて、どんだけ恋愛初心者なんです?」
香織に渡した缶コーヒーを取ると、グイッと飲んだあとに、ニヤリと笑う誠。
「僕がイイ男を教えてあげましょうか?」
「は!?」
「その代わり、今の僕のこと、誰かに言ったら……どうなるかわかってますよね?」
香織の手に缶コーヒーを押し付けると、顔を近づけて耳元で囁いた。
「僕、放っておきませんよ?」
ゆっくりと顔を離す際、香織と視線を絡めてニコッと笑った。
そして、非常階段の扉を開けて、ベッと舌を出してみせると、扉を閉めた。
(なん…なっ…なんなのあれー!?)