恋のメンテナンスは必要ですか?

 *


 それから数日はひたすら仕事を頑張って。
 せっかくなら綺麗な姿で行きたかったので新しい服も買いに行ったり。

 翔と過ごす夜は甘く、幸せに溢れていた。

 そして迎えた、レストランで両親と食事する日の夕方。

 
 彩は自身の寝室で身だしなみを整える。

 翔の用意してくれたレストランは最近話題の結婚式場を併設したレストランらしく、席からは大聖堂を見ることができるらしい。
 ウェブサイトで見た写真にワクワクとした気持ちが止まらない。

「ライトアップされた大聖堂なんてすごい綺麗なんだろうなぁ」
 
 楽しみに独り言まで大きくなってしまう。
 
 支度を終えると玄関に向かった。
 途中、翔の部屋が目に入って足を止める。
 翔は仕事の都合で顔を出せないと言っていた。

「…………。」

 せっかくの大聖堂。
 翔と見たかったと言ったらワガママだと思われるだろうか。
 
 (ううん、翔さんはそんなこと言わない。でも……)

 困らせるに決まってる。
 彼の負担にはなりたくない。

 彩は考えを振り払うように頭を前に向けた。
 靴を履き、エレベーターで降りると翔の用意してくれた車に歩いていく。
 両親にも迎えの車が行っているらしいので集合は現地。
 
 車の後部座席に乗り込み、シートベルトをはめると運転手に声をかけた。
 
「お願いします。」


 座り心地の良い高級車に身を任せ、彩は流れていく夕方の景色を眺めていた。
 
 
 
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