恋のメンテナンスは必要ですか?
*
支度を済ませた彩は鞄を肩にかけ、玄関で靴を履く。
「そういえばお父さんは?」
「昨日何時に帰ってきたんだか知らないけど寝室で野垂れてるわよ」
「あはは……ねぇ、次はお母さんがパーティー行ってよ」
母は心底嫌そうな顔で手を払った。
「嫌に決まってるじゃない。あんな気しか使わない場所。買い出しでも家から出たくないくらいなのに」
「そんなところに娘が代わりに行ってるんですけど?」
「24歳の娘が可愛いくて自分が身代わりになるような母親になれなくてごめんなさいねぇ〜」
「……イケメンいっぱいいるよ?」
イケメン好きな母が食いつきそうな言葉を投げてみるが「一般人には興味はない」と一蹴されてしまう。
「本物の男は普通でいいのよ。なんなら少し冴えないくらいがちょうどいいわ。お父さんを見てごらんなさい」
「いってきまーす」
彩は父を不憫に思い、足早に家を出た。
二日酔いの薬は飲んだがまだ体は戻らない。
顔も死んでいるし、出勤したら即、同僚に突っ込まれそうだ。
「樹がうるさそうだなぁ……はぁ……」
駅へと向かう足取りは錘でもついているかのように重かった。
支度を済ませた彩は鞄を肩にかけ、玄関で靴を履く。
「そういえばお父さんは?」
「昨日何時に帰ってきたんだか知らないけど寝室で野垂れてるわよ」
「あはは……ねぇ、次はお母さんがパーティー行ってよ」
母は心底嫌そうな顔で手を払った。
「嫌に決まってるじゃない。あんな気しか使わない場所。買い出しでも家から出たくないくらいなのに」
「そんなところに娘が代わりに行ってるんですけど?」
「24歳の娘が可愛いくて自分が身代わりになるような母親になれなくてごめんなさいねぇ〜」
「……イケメンいっぱいいるよ?」
イケメン好きな母が食いつきそうな言葉を投げてみるが「一般人には興味はない」と一蹴されてしまう。
「本物の男は普通でいいのよ。なんなら少し冴えないくらいがちょうどいいわ。お父さんを見てごらんなさい」
「いってきまーす」
彩は父を不憫に思い、足早に家を出た。
二日酔いの薬は飲んだがまだ体は戻らない。
顔も死んでいるし、出勤したら即、同僚に突っ込まれそうだ。
「樹がうるさそうだなぁ……はぁ……」
駅へと向かう足取りは錘でもついているかのように重かった。