『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』
「無理でしょ」

 咲良が即答した。

「お前は黙ってろ!」

「そんなこと言ってる場合?」

「分かってるよ!」

 俺は大きく息を吐き、崩壊した第一冥府門と、今にも砕けそうな第二結界へ視線を戻した。

 下では数え切れないほどの魂が入り乱れ、職員たちが必死に対応を続けている。このまま中央結界まで破られれば、冥府だけの問題では済まない。

 螺良がこちらを見る。

「軍釟、いけるか?」

「誰に言ってんだよ」

 俺は一歩前へ出た。

 制御が片側だけでも外れている今なら、壊れた結界を一つずつ組み直す必要もなければ、雪崩れ込んだ魂を一体ずつ拾い集める必要もない。

 右手を上げ、冥府庁全体へ意識を広げる。

「――全回収、修復」

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