加納欄のオレオレ詐欺
「そうですね」

欄も足を止め、大山を見た。

「犯人を捕まえたにせよ、大金をつり上げたとき、最後は躊躇なく一億って切り出しましたよね?」

「ああ」

「そして、どうやって受け渡すのかは何も話さなかった」

大山は黙ったまま考え込む。

「バレてましたかね。こっちの動き」

「黒龍会が気になるな」

「ハイ」

大山は車へ向かって歩き出した。

「このままじゃ、トカゲの尻尾切りで終わることになるぞ」

「いいじゃないですか」

「ん?」

「お婆ちゃんの命が危なくなる方が心配です」

大山は欄の顔を見る。

そして、ニヤリと笑った。

「よし、乗り込むか」

「ハイ!」

欄は助手席に乗り込んだ。

大山はエンジンをかける。

そして、ハンドルを握った。


――おわり。
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