加納欄のオレオレ詐欺
「祥子だけじゃ心配だ。俺も行ってくる」

高遠先輩はそう言うと、すぐに玄関へ向かった。

「高遠先輩!」

欄が呼び止める間もなく、高遠先輩は外へ飛び出して行った。

部屋に残った大山は、腕を組んだまま電話を見つめる。

「一億か……」

「ずいぶん大きく出ましたね」

欄も電話から目を離さなかった。

婆ちゃんはそんな二人を見て、首を傾げる。

「なんじゃ? 一億じゃ足らんかったか?」

「いや、そういう問題じゃないです」

大山が呆れたように答えた。

「それにしても婆ちゃん、よくあんなこと言えましたね」

「何がじゃ?」

「警察なんか当てにならないって」

「だって、そこに警察がおるじゃろ」

「…………」

欄と大山は顔を見合わせた。

その時。

吉井の携帯電話が鳴った。
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