たしかにお姫様に憧れたことはあるけれども、一夜の過ちから親会社の若社長に「キミ以外あり得ない」と溺愛されるなんて、ありえないですよね?

女の人は、誰しも一度くらいお姫様に憧れたことがあると思う。
私――南田春香(みなみだはるか)がこんな風に過去の話みたいに言っているのは、自分がお姫様にはなれないと分かっているからだ。
だけど世の中には、現在進行形でお姫様路線を一直線に進んでいる人もいると思う。
そういう人には、本当に頑張ってほしい。
うん、心からそう思ってる。
お姫様といえば、可憐でお淑やか。
誰からも――特に王子様からは、とことん愛されて幸せになる。
誰かの悪口を言ったり、貶めたりなんてしない。
だって、キラキラした世界で生きているんだもの。
そう。
少なくとも――こんなことは、絶対にしない。

「……やってしまったぁ」

私みたいに、ワンナイトなんて――絶対に。
きっと結婚するまでこういうことはお預けにして、それを理解してくれる素敵な男の人と付き合っているはずだ。
やっぱり私は、お姫様にはなれないらしい。
< 1 / 12 >

この作品をシェア

pagetop