千代子花火の12週間の恋
  ◆◇◆


 ❄五週目❄


 「うおおおー!!!」


 「腕、大きく広げて千代(ちよ)ちゃん……」


 私は昔から絵を描くのが速いタイプで……週21ページの原稿を人より速く仕上げてしまった……


 そこで私たち二人は、この機会を利用して遠出することにした……


 小さなスクーターに二人乗りして、御殿場(ごてんば)まで来た……せっかく休みなんだしと、一泊することにした……


 「わあ……すごく綺麗……」


 「当然でしょ!!」


 そうそう……その前に……


 「はあ……お金貯めて泊まりに来るのも、なんだかいい気分だね……」


 「そうだね……ええと……部屋、二つ予約だよね……」


 私たちはにこにこしながらホテル予約アプリを開いた。ところが……


 「え!? 一部屋しか空いてないの……」


 「まあ……今、観光客多いもんね……どうしよう……別のところ探す?……」


 私たちがあたふたしていると……作業中だった女性アシスタントの(まどか)ちゃんが口を挟んできた……


 「先生たち、いっそ同じ部屋に泊まっちゃえばいいじゃないですか?……あんなにラブラブなのに……」


 「「そんなんじゃないから!!」」


 私たちは強く否定した……でも結局、同じ部屋に泊まることになった……


 みんなが思ってるようなことじゃなくて……ただ部屋が空いてなかっただけ


 「すごいなあ……富士山、本当に綺麗だね……」


 「はい……笑って……」


 私は笑って、富士山とのツーショットを撮った……


 「ねえ(よし)くん……一緒に自撮りしようよ……」


 「うん……」


 夜になると、私たちは同じ部屋で寝ることになった……正直、少しドキドキしていた……


 男性を部屋に呼んだことはあったけど……男の人と同じ部屋で寝たことは一度もなかった……


 「えっと……じゃあ僕、あっちの端で寝るよ……」


 「そんなことしなくていいよ……一緒に寝よう。そうすれば寒い思いしなくて済むでしょ……ね?」


 「うん……」
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