千代子花火の12週間の恋
 ◆◇◆


 ❄八週目❄


 「今日、すごくかわいい格好してるね……」


 「だって、あなたが買ってくれた服を着てるとこ見たいって言うから……だから……」


 「今日、どこ行く?」


 「公園はどう?……」


 「いいね……」


 「どうしたの?」


 光輝(こうき)くんが、泣いている男の子を指さした……私たちは彼のもとへ歩み寄って、事情を尋ねた……


 「歩いてたら……お母さんとはぐれちゃったの……」


 私たち二人は顔を見合わせた……


 「じゃあ、一緒にお母さんを探そうね……」


 「うん……」


 私たちは男の子と手をつないで一緒に歩いた……交番か、慌てた様子の女性がいないか探しながら……


 「心配しなくて大丈夫だよ……絶対お母さんに会えるから……」


 光輝(こうき)くん、子供好きなんだな……ということは……


 「たき!!」


 「お母さん!!」


 数分後、私たちは男の子のお母さんを見つけた。運よく、近くにいたのだ……


 「よかった……本当にありがとうございます!!」


 「いえいえ……見つかってよかったです……」


 「光輝(こうき)が子供好きだなんて、思ってもみなかったな……」


 「僕、昔保育園でバイトしてたことあるんだ」


 「へえ……じゃあ、もし子供ができたら、育児上手なんだろうな……」


 私たちは夕方まで遊び歩いて……最後にホテルの前で立ち止まった


 「……………子供、欲しいの?」


 「うん……」

 彼の手をぎゅっと握りしめながら、私の顔は真っ赤になった…すると彼は私の耳元でそっと囁いた…


 「かわいいなあ……花火(はなび)は……」
< 18 / 22 >

この作品をシェア

pagetop