千代子花火の12週間の恋
 ◆◇◆


 ❄九週目❄


 「あっ……」


 私はあるものを持って、トイレに入った……


 初めて使うものではあったけど……そんなに難しいものでもなかった……


 それは白くて細長い棒状のもので……中を覗き込むと……ピンク色の線が二本、浮かび上がっていた……


 「妊娠しちゃったか……」


 正直……本当に妊娠するなんて思ってもいなかった……でもまあ、光輝(こうき)ってベッドの上のことがすごく上手だし……


 あんな風に一晩中抱き合ってたら、妊娠しても不思議じゃないよね……


 うーん……どう伝えようかな……


 サプライズにしようかな……目隠しして耳元でこっそり伝えるとか、それとも検査薬を直接見せるとか……


 私はトイレから出てきた……


 今はアシスタントたちもまだ作業中……じゃあ、この作戦にしよう……


 「光輝(こうき)……」


 「うん?」


 私は検査薬を手に取って、みんなの前で堂々と言った……


 「妊娠しちゃった。責任取ってね……」


 「「えっ!!!????」」


 「えっ」って叫んだのは光輝(こうき)じゃなくて、女性アシスタントたちだった……


 「おめでとうございます、先生!!!」


 「おめでとうございます!!!」


 「うん……ありがとう……」


 光輝(こうき)は立ち上がって……私のお腹をそっと撫でた……


 「えへへ……ドキドキしてるね、パパ」


 「なんというか……本当に父親になるんだな……」


 彼の目から少し涙がこぼれて……みんなで大笑いになった……


 お母さん……私ね……もう独りぼっちじゃないんだよ……


 お母さんは今……おばあちゃんになったんだよ……


 嬉しい?……孫の顔、見たいと思う?


 お母さんが喜んでくれたらいいな……
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