「先生」と呼ぶのは禁止です
――卒業式の日に昇治と付き合い始めてから、一カ月と少しが経った頃。円花は大学に進学し、講義も始まっていよいよ学生生活が本格的にスタートした。短時間ではあるが、家と大学の間にある大きな駅ビルの中のレディース服のアルバイトも始めた。
新しい学びの環境と、初めてのアルバイト、それから、年上の恋人とのお付き合い。何もかもが新鮮で、少し目まぐるしくも思えたが、どれも待ち望んでいたものなので、円花は毎日を楽しく過ごしていた。
そして四月の中頃の土曜日、円花は昇治に招かれて初めて彼の部屋を訪れた。
最寄駅から徒歩十分ほどのマンションの一室はそれほど広くはなかったが、三点ユニットバスではなく、風呂も洗面所もトイレも別だった。この部屋を借りる際にそこにこだわったのだろうかと思うと、昇治の隠れた几帳面さや綺麗好きな面を感じた。そしてまた、玄関に並んだ黒い革靴やスニーカーが、ここは男性の住む場所なのだということを如実に感じさせ、円花は妙に緊張した。
最初は、大学生活がどうとかアルバイトがどうとか、そんな話をしていた。昇治は一年生の担任になったそうで、昨年度よりも忙しくなりそうだと、少し困った表情をしていた。
「んっ……」
たわいない会話が続いたが、円花としては、この部屋に来る前から期待を――いや、覚悟をしていた。もしかしたら今日は、二人の関係が進むのではないかと。そしてそれは、おもむろに昇治から口付けられて確定したように思う。
「焦らなくていいし、俺はまだ待てるけど……どうする」
円花の唇を解放した昇治は、曖昧な言葉で尋ねた。きっと昇治も、そういうつもりで円花を呼んだのだろう。
だが、昇治には年上としての責任があるのか、決して早急に、そして円花の了承なしに事を進めるつもりはないようだった。だから、二人の関係を進めるかどうかの決定権は円花にある。
「里田先生とお付き合いできているの、まだ信じられない……夢みたいです。でも夢じゃないって……現実なんだ、って思い知りたい。だから先生、お願いします」
テレビの前に敷かれた、ソフトな感触のラグ。その上であぐらをかいている昇治の首に両腕を回し、円花は甘えた声を出した。
「抱いて……ください」
円花自身も、焦らなくていいと思っていた。まだ大学に入ったばかりで、付き合い始めたばかりでもあるのだから、と。けれど、では逆にどういうタイミングが正解なのかと考えても、答えは出そうにない。それなら、熱に浮かされてしまっているような気もするけれど、春の日差しが心地よいこの日を、自分のハジメテの日にしてもいいような気がした。
「ふっ……ぅん……」
円花の後頭部をなでてから、昇治は再び円花に口付けた。やわらかな感触を割って、ためらう間もなく舌を挿入する。ぎこちなさを残す円花の舌を舐め回し、己の唾液をからませ、頭の中がしびれるような感覚を覚えながら鼻で呼吸をする。
「せっ……先生っ」
「ベッドに行くか」
激しいキスに息苦しくなった円花が軽く昇治の体を押しのけると、昇治は円花の手首を掴んでベッドに向かった。そして円花を仰向けで寝かせると、その上に覆いかぶさり、彼女の茶色い瞳をじっと見下ろした。
「俺もまだ、実感がない。終わったあとでいいから教えてくれないか。ほとんど話もしなかったのに、どうして俺のことを好きになってくれたのか」
「えっ……それ、は……あっ」
いま話を聞く気はない。そう言わんばかりに、昇治の手のひらが円花の服の中に潜り込む。そしてまずはブラジャーの上から、控えめな乳房をふに、と揉んだ。
「ん……っ」
円花は異性に体をさわられるという初めての経験に緊張して、思わず全身に力が入る。すると昇治は円花のスカートをめくって、すべすべの太ももをなでながら苦笑した。
「体の力は抜け。ゆっくり息をすればいい」
「はい……」
彼女が処女なのは、確認しなくてもわかる。先月まで高校の制服を着ていた円花はまだ咲き始めたばかりの儚い花のようで、その花弁を無残にむしり取るような罪悪感を昇治は覚えた。
しかし同時に、ずっと欲しいと思っていた彼女の体を味わえるのだと思うと、下着とズボンを押しのけそうなほどはっきりと、肉棒は屹立していた。
「やっ、あっ、そこはっ」
「ここをさわらないとしょうがないだろ」
昇治は円花の首筋を舐めながら、円花のパンティに手のひらを添えた。つるつるした肌触りからすると、光沢のある下着なのだろう。それだけで、円花が今日ここへ、一つの覚悟を持ってきたことがわかる。
その下着の上から、昇治は円花の淫裂と肉豆を指の腹で上下にさすった。
「んっ……」
円花は小さな吐息を漏らす。それくらいの愛撫では、はっきりとした快感を覚えないのだろう。だが、まずは恥じらいとためらいをとかすためにも、やわらかな刺激を続けるしかない。
「円花、ここをさわっていてやるから、上の服を全部脱げるか」
「は……はい……」
円花は薄目で昇治を見上げると、もたもたとした手つきで半袖と、そしてブラジャーを脱いだ。仰向けの体勢のままでは脱ぎにくかったが、昇治に言われたとおり、いい子に上半身の肌をさらす。しかしさすがに、乳房部分は両腕で隠してしまった。
「せっ……先生も脱いでほしいです」
「ん……ああ、そうだな」
円花に言われて、昇治もはたと気付いて上を脱ぐ。すると、うっすらとだが割れた腹筋が目に入り、円花は「はぅ……」とため息をついた。
「腹筋……割れてますね」
「休みの日だけ、そこそこジム通いをしているからな」
「そうなんですね……カッコいい……」
スーツを着て教壇に立っている姿からは、まさか腹筋が割れているとは想像もしなかった。円花は予想だにしなかった昇治の引き締まった体に、うっとりと見惚れる。
「円花も見せろよ」
昇治はそう言うと、少し力を込めて円花の両手首を掴み、左右に広げた。すると、ふにっとやわらかそうな円花の乳房が、控えめに揺れる。
「や、やだっ、恥ずかしい……っ」
「これからもっと恥ずかしいことをするんだぞ」
「えっ、あ……んぅっ」
背中を丸めた昇治はかがみ、円花の桃色の突起物を口に含む。少しずつ硬くなっていくその若い蕾は、昇治の口の中で細かくはじかれた。卑猥な動きをする舌の感触に、円花はぞくりと身を震わせる。
「ああっ、やぁっ」
初めて与えられる快感。自分ではない他人の舌に、乳首を舐められるという痴態。円花の心臓はバクバクと高鳴り、なんだか泣きそうな気持ちになった。
「円花、余計なことは考えるな」
「で、でも……」
「俺を信じて、ただ感じていればいい」
昇治の手のひらが、なだめるように円花の頬をなでる。それに少しだけ安心して、円花は肩の力を抜いた。
新しい学びの環境と、初めてのアルバイト、それから、年上の恋人とのお付き合い。何もかもが新鮮で、少し目まぐるしくも思えたが、どれも待ち望んでいたものなので、円花は毎日を楽しく過ごしていた。
そして四月の中頃の土曜日、円花は昇治に招かれて初めて彼の部屋を訪れた。
最寄駅から徒歩十分ほどのマンションの一室はそれほど広くはなかったが、三点ユニットバスではなく、風呂も洗面所もトイレも別だった。この部屋を借りる際にそこにこだわったのだろうかと思うと、昇治の隠れた几帳面さや綺麗好きな面を感じた。そしてまた、玄関に並んだ黒い革靴やスニーカーが、ここは男性の住む場所なのだということを如実に感じさせ、円花は妙に緊張した。
最初は、大学生活がどうとかアルバイトがどうとか、そんな話をしていた。昇治は一年生の担任になったそうで、昨年度よりも忙しくなりそうだと、少し困った表情をしていた。
「んっ……」
たわいない会話が続いたが、円花としては、この部屋に来る前から期待を――いや、覚悟をしていた。もしかしたら今日は、二人の関係が進むのではないかと。そしてそれは、おもむろに昇治から口付けられて確定したように思う。
「焦らなくていいし、俺はまだ待てるけど……どうする」
円花の唇を解放した昇治は、曖昧な言葉で尋ねた。きっと昇治も、そういうつもりで円花を呼んだのだろう。
だが、昇治には年上としての責任があるのか、決して早急に、そして円花の了承なしに事を進めるつもりはないようだった。だから、二人の関係を進めるかどうかの決定権は円花にある。
「里田先生とお付き合いできているの、まだ信じられない……夢みたいです。でも夢じゃないって……現実なんだ、って思い知りたい。だから先生、お願いします」
テレビの前に敷かれた、ソフトな感触のラグ。その上であぐらをかいている昇治の首に両腕を回し、円花は甘えた声を出した。
「抱いて……ください」
円花自身も、焦らなくていいと思っていた。まだ大学に入ったばかりで、付き合い始めたばかりでもあるのだから、と。けれど、では逆にどういうタイミングが正解なのかと考えても、答えは出そうにない。それなら、熱に浮かされてしまっているような気もするけれど、春の日差しが心地よいこの日を、自分のハジメテの日にしてもいいような気がした。
「ふっ……ぅん……」
円花の後頭部をなでてから、昇治は再び円花に口付けた。やわらかな感触を割って、ためらう間もなく舌を挿入する。ぎこちなさを残す円花の舌を舐め回し、己の唾液をからませ、頭の中がしびれるような感覚を覚えながら鼻で呼吸をする。
「せっ……先生っ」
「ベッドに行くか」
激しいキスに息苦しくなった円花が軽く昇治の体を押しのけると、昇治は円花の手首を掴んでベッドに向かった。そして円花を仰向けで寝かせると、その上に覆いかぶさり、彼女の茶色い瞳をじっと見下ろした。
「俺もまだ、実感がない。終わったあとでいいから教えてくれないか。ほとんど話もしなかったのに、どうして俺のことを好きになってくれたのか」
「えっ……それ、は……あっ」
いま話を聞く気はない。そう言わんばかりに、昇治の手のひらが円花の服の中に潜り込む。そしてまずはブラジャーの上から、控えめな乳房をふに、と揉んだ。
「ん……っ」
円花は異性に体をさわられるという初めての経験に緊張して、思わず全身に力が入る。すると昇治は円花のスカートをめくって、すべすべの太ももをなでながら苦笑した。
「体の力は抜け。ゆっくり息をすればいい」
「はい……」
彼女が処女なのは、確認しなくてもわかる。先月まで高校の制服を着ていた円花はまだ咲き始めたばかりの儚い花のようで、その花弁を無残にむしり取るような罪悪感を昇治は覚えた。
しかし同時に、ずっと欲しいと思っていた彼女の体を味わえるのだと思うと、下着とズボンを押しのけそうなほどはっきりと、肉棒は屹立していた。
「やっ、あっ、そこはっ」
「ここをさわらないとしょうがないだろ」
昇治は円花の首筋を舐めながら、円花のパンティに手のひらを添えた。つるつるした肌触りからすると、光沢のある下着なのだろう。それだけで、円花が今日ここへ、一つの覚悟を持ってきたことがわかる。
その下着の上から、昇治は円花の淫裂と肉豆を指の腹で上下にさすった。
「んっ……」
円花は小さな吐息を漏らす。それくらいの愛撫では、はっきりとした快感を覚えないのだろう。だが、まずは恥じらいとためらいをとかすためにも、やわらかな刺激を続けるしかない。
「円花、ここをさわっていてやるから、上の服を全部脱げるか」
「は……はい……」
円花は薄目で昇治を見上げると、もたもたとした手つきで半袖と、そしてブラジャーを脱いだ。仰向けの体勢のままでは脱ぎにくかったが、昇治に言われたとおり、いい子に上半身の肌をさらす。しかしさすがに、乳房部分は両腕で隠してしまった。
「せっ……先生も脱いでほしいです」
「ん……ああ、そうだな」
円花に言われて、昇治もはたと気付いて上を脱ぐ。すると、うっすらとだが割れた腹筋が目に入り、円花は「はぅ……」とため息をついた。
「腹筋……割れてますね」
「休みの日だけ、そこそこジム通いをしているからな」
「そうなんですね……カッコいい……」
スーツを着て教壇に立っている姿からは、まさか腹筋が割れているとは想像もしなかった。円花は予想だにしなかった昇治の引き締まった体に、うっとりと見惚れる。
「円花も見せろよ」
昇治はそう言うと、少し力を込めて円花の両手首を掴み、左右に広げた。すると、ふにっとやわらかそうな円花の乳房が、控えめに揺れる。
「や、やだっ、恥ずかしい……っ」
「これからもっと恥ずかしいことをするんだぞ」
「えっ、あ……んぅっ」
背中を丸めた昇治はかがみ、円花の桃色の突起物を口に含む。少しずつ硬くなっていくその若い蕾は、昇治の口の中で細かくはじかれた。卑猥な動きをする舌の感触に、円花はぞくりと身を震わせる。
「ああっ、やぁっ」
初めて与えられる快感。自分ではない他人の舌に、乳首を舐められるという痴態。円花の心臓はバクバクと高鳴り、なんだか泣きそうな気持ちになった。
「円花、余計なことは考えるな」
「で、でも……」
「俺を信じて、ただ感じていればいい」
昇治の手のひらが、なだめるように円花の頬をなでる。それに少しだけ安心して、円花は肩の力を抜いた。