『ひとりの少年』
「落雷」
僕は、雨が好きだ。
人よりずっと。
雨の日は世界が静かで、雨の音だけが響く。世界が、僕独りになる。
雨の音は、まるで世界を洗い流すような、僕にとってはとても綺麗な音だ。
僕は、世界が好きだ。
この、広くて、綺麗で、でも醜い、そんな素晴らしい世界が好きだ。
自然は色々なものを見せてくれる。教えてくれる。
人も色々なものを見せてくれる。教えてくれる。
だけどその中身は、全く違う。
自然は、美しさと残酷さを。
人は、優しさと願いと、醜さを。
教えてくれる。
だったら、僕は。
僕は、誰に何を、教えたいだろう。