ロリータ×手錠×そして雨…
彼を捕まえた張本人である親友が、彼の肩をぽんと軽く叩き、からかうように言った


「あ、それともう一つ……」


 彼女は指を立てて、またとぼけた口調で言った……


「私みたいな美人がさ……あんな地味な制服着てたら、可愛くないでしょ……」


 郁郎(いくろう)の表情は、宇宙の彼方よりも遠くへ飛んでいってしまった……


 自分勝手で、とぼけた話し方をして、しかも自分が最高に可愛いと自信満々な、変わった性格の先輩


 彼女こそが、宮島(みやじま)高校の生徒会長、花沢(はなざわ)花透(かとう)である……


 彼女は誰もが夢中になる生徒会長だった……成績優秀とか、模範生だからというわけではない……


 ただ、気さくで誰とでも仲良くできる性格で、学校中から可愛がられる存在だった


「よし……あなたは謹慎期間中に規則違反をしたんだから、私が直々に見張っておくことにするね……」


 それを聞いた郁郎(いくろう)の親友が、すぐさま口を挟んだ……


「え?……それって、僕の役目だったはずじゃ……」


「あなたが?……悪いけど、青山(あおやま)アキト副会長……全学年の女子生徒から、あなたがセクハラ発言をしてるって報告が来ているのよ……」


「セクハラ!? 僕はただ声をかけただけですよ!!!」


 そんな風に決めつけないでくださいよ……


「その話はまた今度……さて……郁郎(いくろう)くんは二度目の違反をしたわけだから……これから私の管理下に置くことにするね」


「!?」


 カチャッ……


 聞き慣れない、誰も聞きたくない音が部屋の中に鋭く響いた……


「…………なんですかこれ……」


 花透(かとう)はどこからか取り出した手錠を、彼の左腕にはめた。そしてもう片方の手錠を……自分の右腕にはめた……


「あなたをしっかり見張るために……私はあなたとずっと一緒にいなきゃいけないの……」


 郁郎(いくろう)は更にあっけに取られてしまった……今日は驚くことばかりだ……可哀想に……


「先輩、頭おかしくなったんですか!!!!」


 その叫び声は、学校中に響き渡るほど大きかった……
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop