ロリータ×手錠×そして雨…
彼女はまた笑いながら微笑んだ……


「ねえ先輩……」


「うん?」


「なんで……いつも僕のことをからかうんですか……?」


「なんでって……それは……」


 郁郎(いくろう)は、自分自身のことを語り始めた……


「僕なんて……ただの不良の一人じゃないですか……ずっと……先輩みたいな人が、思いもよらなかった……いや、考えたこともなかったんです。先輩みたいな人が……


 花沢(はなざわ)花透(かとう)みたいな人が、僕みたいなやつに話しかけてくれたり、からかってくれたり、いろいろ助けてくれたりするなんて……


 みんなが近づきたがらないような危険なやつ……先輩とは決して交わることのないはずのやつなのに……」


 彼はそう言いながら――少女の華奢な体をぎゅっと抱きしめた……


 だが花透(かとう)は、ただ微笑むだけだった……その細く小さな指を伸ばして、少年の涙をそっと拭った……


 そして、こう言った……


「だって、あなたといると……楽しいんだもん……」


「……………そうなんですか?」


「うん………」


 彼はもう一度彼女の顔を見つめた……その笑顔は、どこかふざけたような笑みではあったけれど……その声に滲む素直さに、彼も思わず小さく微笑んでしまった……


「あなた……可愛いね……」


「うぐっ!!!」


 先輩に褒められて……また顔が赤くなってしまった……


 だが、その幸せな時間も長くは続かなかった……


 ゴロゴロ……


 風が急に強く吹き始めた……
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