ロリータ×手錠×そして雨…
「きゃっ!!!」


 傘が風に飛ばされ、空高く舞い上がってしまった……二人は顔を見合わせた……


 郁郎(いくろう)は全力で走った……だが少し走ったところで足を滑らせて転んでしまった……


 二人は雨の降りしきる通路の真ん中で、うつ伏せに倒れ込んだ……幸い、この学校の鞄には非常用の防水袋がついていた……


 郁郎(いくろう)は仰向けに寝転んで、降り注ぐ雨をまともに受けていた……


 花透(かとう)はうつ伏せで、もう少しで雨水を飲み込みそうになっていた……


 二人は降りしきる雨の中で、互いの顔を見つめ合った……


 二人の笑い声はそこそこ大きかったけれど……それでも激しくなる雨音には敵わなかった……


 それでも、二人はそのまま笑い続けることを選んだ……


 ああ……今日は本当に頭が痛くなる一日だった……


 ゴシックロリータ衣装のことも……手錠のことも……そしてこの雨も……


 本当に……頭が痛くなる……


 でも……


「…………バカ……」


 二人はなおも見つめ合っていた……目を逸らさずに……


 そしてまた、お互いに微笑み合った……


「…………バカ……」


 でも……郁郎(いくろう)は密かに思っていた……


 こういうのも……悪くないな、と……
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