ロリータ×手錠×そして雨…
◆◇◆


 花透(かとう)の家の前……


「ありがとね……送ってくれて……」


 カチャッ……手錠が外れる音がした……


「傘とタオル、それと手錠外してくれてありがとうございました……」


「お礼なんていいよ……」


「それじゃ……失礼します……」


 郁郎(いくろう)は帰ろうとした……


「待って……」


 だが花透(かとう)は彼を引き止めた……


「どうしたんですか?」


「さっき、繋いでるのが楽しいからって言ったの……嘘なんだ……」


「そうなんですか?……じゃあ……どうして僕を繋いでたんですか……」


 彼女は微笑みながら手招きした……郁郎(いくろう)は何も考えずに彼女の方へ歩いて行った……


 その瞬間……ネクタイを強く引っ張られる感覚があった……


 彼女はネクタイを引いた……少しだけつま先立ちをして……そして……彼女の唇は、とても柔らかかった……


 五秒……理屈で言えばそのはずだった……でも感覚的には……最高に幸せな、五時間にも感じられる時間だった……


 心臓が限界を超えて高鳴っていた……さっきよりも……もっと強く……


「答え、もらったから……」


 その柔らかな唇が、ゆっくりと離れていった……


「……………」


「また明日ね、イケメンくん……」
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