幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

いつもの帰り道

 放課後のチャイムが鳴って、教室の中が一気に騒がしくなった。


「結菜、帰ろー!」


 友達に声をかけられて、私は机の横に掛けていた鞄を手に取る。


「ごめん、今日は蓮と帰る約束してるんだ」

「また蓮?」

「うん。いつも一緒だから」


 そう答えると、友達は呆れたように笑った。


「ほんと仲いいよね。もう付き合っちゃえば?」

「えっ、ないない!」


 思わず笑ってしまう。


「蓮とは幼なじみだもん」

「その『幼なじみだから』ってやつ、いつまで続くのかなー」

「何それ」

「別にー?」


 意味ありげな笑顔を残して、友達は先に教室を出ていった。

 私は首を傾げながら、教室の後ろのドアを見る。

 そこには、壁にもたれながらスマホを見ている蓮がいた。


「蓮、お待たせ!」

「……ん」


 顔を上げた蓮は、短く返事をしてスマホをポケットにしまった。


「待った?」

「別に」

「じゃ、帰ろ」

「うん」


 それだけ。

 いつもの会話だった。
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