幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
友達がいなくなったあと、私はもう一度教室の後ろを見た。
蓮はまだそこにいる。
スマホを見ていたはずなのに、いつの間にかこちらを見ていた。
目が合う。
蓮はほんの少しだけ目を細めて、それからスマホをポケットにしまった。
「蓮、お待たせ」
「……ん」
短い返事。
でも、それで十分だった。
蓮とは、昔からこういう感じだ。
必要なことだけ話して、無理に会話を続けることもない。
沈黙していても気まずくならない。
むしろ、隣にいるだけで落ち着く。
「待たせちゃってごめんね?」
「別に」
そう言いながら、蓮は教室のドアを開けてくれた。
私は何も考えず、そのまま先に廊下へ出る。
こういう小さなことも、昔から変わらない。
蓮が先にドアを開けてくれることも、荷物を持ってくれることも、全部当たり前だと思っていた。
今だって、たぶん同じ。
「じゃ、帰ろ」
「うん」
二人で並んで歩き出す。
廊下を歩く足音が、同じくらいの速さで重なっていく。
それだけで、なんとなく安心する。
私たちは昔から、歩く速さまで似ていた。
少し前を歩けば、蓮が自然と合わせてくれる。
私が遅れれば、何も言わずに待っている。
そういうところも、蓮らしいと思う。
「今日の数学、難しくなかった?」
「普通」
「私は全然分かんなかった」
「あとで見せる」
「ほんと? 助かる」
そんな他愛のない話をしながら、私たちは学校を出た。
いつもの帰り道。
いつもの隣。
いつもの蓮。
このときの私は、それがずっと続くものだと思っていた。
蓮はまだそこにいる。
スマホを見ていたはずなのに、いつの間にかこちらを見ていた。
目が合う。
蓮はほんの少しだけ目を細めて、それからスマホをポケットにしまった。
「蓮、お待たせ」
「……ん」
短い返事。
でも、それで十分だった。
蓮とは、昔からこういう感じだ。
必要なことだけ話して、無理に会話を続けることもない。
沈黙していても気まずくならない。
むしろ、隣にいるだけで落ち着く。
「待たせちゃってごめんね?」
「別に」
そう言いながら、蓮は教室のドアを開けてくれた。
私は何も考えず、そのまま先に廊下へ出る。
こういう小さなことも、昔から変わらない。
蓮が先にドアを開けてくれることも、荷物を持ってくれることも、全部当たり前だと思っていた。
今だって、たぶん同じ。
「じゃ、帰ろ」
「うん」
二人で並んで歩き出す。
廊下を歩く足音が、同じくらいの速さで重なっていく。
それだけで、なんとなく安心する。
私たちは昔から、歩く速さまで似ていた。
少し前を歩けば、蓮が自然と合わせてくれる。
私が遅れれば、何も言わずに待っている。
そういうところも、蓮らしいと思う。
「今日の数学、難しくなかった?」
「普通」
「私は全然分かんなかった」
「あとで見せる」
「ほんと? 助かる」
そんな他愛のない話をしながら、私たちは学校を出た。
いつもの帰り道。
いつもの隣。
いつもの蓮。
このときの私は、それがずっと続くものだと思っていた。