幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

昼休み。

友達とお弁当を食べながら、結菜は窓の外を眺めていた。

校庭では、何人かの男子がボールを追いかけている。

その中に蓮の姿はない。

今日は教室に残っているらしい。

それを確認したわけでもないのに、なんとなく分かってしまう。

少しして、教室の後ろから笑い声が聞こえた。

振り向くと、蓮が友達と話していた。

何か面白いことがあったらしく、いつもより少しだけ大きく笑っている。

その表情を見て、結菜も自然と笑ってしまった。

ただ、それだけだった。

蓮が楽しそうなら、自分も嬉しい。

そう思った。

でも、その直後。

蓮が友達と一緒に教室の外へ出ていくと、急に物足りなく感じた。

さっきまで普通だったのに。

姿が見えなくなっただけで、少し寂しい。

その変化に、結菜自身が一番驚いた。

昔から、蓮がどこかへ行くことなんて何度もあった。

小学生の頃だって、別々の友達と遊ぶことはあった。

それでも、こんな気持ちになったことはない。

今は違う。

姿が見えないだけで、気になってしまう。

戻ってきたら、ほっとする。

少しでも話せたら嬉しい。

一緒に帰れたら、もっと嬉しい。

そこまで考えて、結菜は箸を止めた。

胸の奥に浮かんだ小さな疑問。

――私って、こんなに蓮のこと気にしてたっけ。

答えは、すぐには出てこなかった。

ただ、否定することもできなかった。

< 63 / 177 >

この作品をシェア

pagetop