浅葱と萌葱の検死報告〜ラスト・ドレスを纏ったシンデレラ〜
白夜は両手で顔を覆った。刹那、夕鈴のスマホに電話がかかってくる。夕鈴はその場で電話に出た。

「もしもし?……はい。……はい。わかりました」

短く電話を済ませた夕鈴は、真剣な表情で白夜を見つめる。

「白夜ちゃん。森で遺体が見つかったみたい。行ける?」

「大丈夫。行ける」

白夜は両手を離し、夕鈴を見つめる。その目はすっかり仕事モードに入っていた。頼んだ飲み物を一気に飲み干し、カフェを出る。

夕鈴が車のサイレンを鳴らした。



遺体が発見されたという森は、ワシントン郊外にあった。白夜は車の中で着替えを済ませ、長靴を履く。車から降り、夕鈴と共に遺体が発見された場所まで歩く。歩くたび、ザクザクと落ち葉が音を立てた。

すでに現場には大勢の捜査員や鑑識が出入りしている。夕鈴が身分証を提示し、部下の捜査員に事情を説明させた。

「森に野鳥観察に訪れた男性が遺体の発見者です。かなりショックを受けています」

遺体は酷く腐敗が進んでいるんだな、と白夜は察した。
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