浅葱と萌葱の検死報告〜ラスト・ドレスを纏ったシンデレラ〜
「遺体はどこにあるんですか?」

白夜の問いに対し、部下の捜査員が「あそこです」と指差す。規制線が張られ、多くの捜査員が出入りしていた。白夜は夕鈴と共に迷うことなく歩いていく。

「これは中々……」

遺体を目の当たりにした夕鈴が顔を顰める。遺体は上半身のみで、素人が見ただけでは性別も判別不能な状態だった。雨風に晒され、野生動物に皮膚を抉られ、骨が見えている部分も多い。骨を覆う赤い肉にはウジ虫が動いている。

「一般人は一生もののトラウマになりそう」

夕鈴の言葉に、遺体を観察していた白夜は「これはまだ綺麗な遺体やよ」と返す。夕鈴が首を傾げた。白夜は説明する。

「あたしが長期休暇もらって冬に日本の実家帰った時、近所に一人暮らしのおじいさんが住んどったんやけど、県外から息子さんや娘さんが来とったんや。「おじいさんと連絡が一週間取れへん」って。部屋の中で死んどる可能性が高かったから、あたしが家の中に入って様子見に行くことにしたんよ。……正直、あれはあたしが見に行って正解やったわ」
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