秘密
「………」
まただ。
最近、よくつけられてる気がする。
私が歩けば歩き、私が立ち止まれば立ち止まる。
正直気味が悪かった。
スマホでまるで自撮りをするかのように背後に夕日が映るように振り返ると少し離れた場所に知らない男の人。
「………」
特に何をされた訳でもない。
話しかけられても、傷付けられた訳でもない。
ただ、気持ち悪い。
それだけだった。
急に鳴り響いた着信音にビクッと肩を揺らし画面を見ると《お兄ちゃん》から。
「…もしもーし」
『あ、せい?今何処ら辺なんだよ』
「もう近いよ、海んとこ」
ポストの、と付け加える。
浜辺へ繋がる階段の前に置かれた青いポストはここら辺じゃ待ち合わせスポットになっている。
『あぁ、じゃあ悪いんだけどコンビニで板チョコ買ってきて』
「はぁ?板チョコ?」
電話をしながらパッと顔を上げるといつの間にか男の人は居なくなっていた。