碧くんの好きが溢れてる ③ 〜あなたの好きに興奮して体に悪いんですけど〜
「なんだよ。碧は、このちびっ子を泣かせるじゃないか。女を泣かせるなんて最低だ。俺なら泣かせない」
「駿、お前には関係ないだろう。俺とアリスの問題だ」
「泣く姿を見たら、誰だって放っておけない。お前みたいな女たらしに、泣かせられてるんだからな」
「なんだって!」
碧くんは駿さんに向かって殴りかかろうとした。私は争ってほしくないので、駿さんの腕から離れた。
そして両手を広げて、碧くんの目の前に出て庇った。すると碧くんは、とっさに私に拳が、当たらないように横に避けて跪き倒れ込んだ。
私はその間に、また結局逃げた。このままでは駄目だと分かっているのに、心が悲鳴を上げている。ここにいたところで、ただ辛いだけだと。
黄昏れ迫る茜色の校庭に、タッタッタと私の走る足音が響く。どこからか碧くんが追いかけてくるのではないかと、心の隅で期待する。
だけど、碧くんはどこにもいない。もう私は置いてけぼりになっているのに。心は碧くんを求めて止まない。
逃げたくせに、愛想をつかされたことに気づいていないのかと、もう1人の私が嘲笑うのだ。私が自分を責めている。
頭の中に人魚姫の物語がよぎる。
人魚姫の心はどうして届かなかったのだろうか。どこでつまずいて、こんな結果になったのか。どうして分からなかったのか。
伝え切れない思いが、残酷な結果につながるのだろうか。人魚姫の気持ちが今なら分かる。こんなに好きなのにと。
涙が溢れるたびに水の中に沈んでいくみたいだ。走っているけど、バタバタ動く足は、溺れてもがいて、苦しんでいるよう。
その状況は、まるでバットエンドの人魚姫みたいだ。後は泡になって消えてしまいたい。結局アリエルにはなれなかった私なのだろう。
「駿、お前には関係ないだろう。俺とアリスの問題だ」
「泣く姿を見たら、誰だって放っておけない。お前みたいな女たらしに、泣かせられてるんだからな」
「なんだって!」
碧くんは駿さんに向かって殴りかかろうとした。私は争ってほしくないので、駿さんの腕から離れた。
そして両手を広げて、碧くんの目の前に出て庇った。すると碧くんは、とっさに私に拳が、当たらないように横に避けて跪き倒れ込んだ。
私はその間に、また結局逃げた。このままでは駄目だと分かっているのに、心が悲鳴を上げている。ここにいたところで、ただ辛いだけだと。
黄昏れ迫る茜色の校庭に、タッタッタと私の走る足音が響く。どこからか碧くんが追いかけてくるのではないかと、心の隅で期待する。
だけど、碧くんはどこにもいない。もう私は置いてけぼりになっているのに。心は碧くんを求めて止まない。
逃げたくせに、愛想をつかされたことに気づいていないのかと、もう1人の私が嘲笑うのだ。私が自分を責めている。
頭の中に人魚姫の物語がよぎる。
人魚姫の心はどうして届かなかったのだろうか。どこでつまずいて、こんな結果になったのか。どうして分からなかったのか。
伝え切れない思いが、残酷な結果につながるのだろうか。人魚姫の気持ちが今なら分かる。こんなに好きなのにと。
涙が溢れるたびに水の中に沈んでいくみたいだ。走っているけど、バタバタ動く足は、溺れてもがいて、苦しんでいるよう。
その状況は、まるでバットエンドの人魚姫みたいだ。後は泡になって消えてしまいたい。結局アリエルにはなれなかった私なのだろう。


