加納欄の入院 シリーズ32シーズン4
「へぇ〜。個室なんですねぇ」

幸田さんが、病室の中を見回した。

「もしかしてぇ、欄ちゃんも一緒に泊まったりしてぇ〜」

「おい! そんなわけ――」

「泊まりますよ?」

あたしが答えると、大山先輩の顔色が変わった。

ほんの一瞬。

本当に、一瞬だけ。

でも、あたしは見逃さなかった。

…………。

大山先輩?

けれど、すぐにいつものポーカーフェイスに戻る。

あたしも何も言わなかった。

ここは、もう桃井病院の病棟。

どこで誰が見ているか、聞いているか分からない。

今のあたしは――苫利先輩の彼女になってしまったんだから。
< 17 / 82 >

この作品をシェア

pagetop