ミュージック・プロジェクト! 〜デビューをかけた秘密のアイドル大作戦!〜
放課後

ガチャ

私はボイスレッスン室の扉を開けた

「お待たせっ…!」

「遅ーい」

「遅くねぇだろ」

ベシッ

「蓮ってば僕の綺麗な体を叩かないでよ!」

「今はっ…?」

「8000超えたとこ。」

「凄い…!」

時間は…あと1時間半。

「…このままだと、間に合わないかも…」

ぼそっ、と律くんが呟いた

私は無意識に、口を開いていた

「諦めちゃ駄目。
…まだチャンスはあるもの。」

「!
…そう、だよね。」

嬉しそうな、驚いたような表情をした律くんと視線を通わせ、笑いあった。

「…つーむぎ。
今8500超えたよー」

蒼真くんが私の頭に頭を乗せるような体勢になる

「えっほんと?!」

体の方向を律くんからパソコンに変更し、パソコンを覗き込む

「べー」

「…むっ…」

「?」

律くんが不機嫌になった理由は分からないけれど、ひとまず今はパソコンに集中しないとだよねっ…!

.⋆𝜗𝜚 ┈┈┈ ⋯ ┈┈┈ 𝜗𝜚.⋆

カチッ、カチッ と時計が静かな室内に響き渡る

「あと1時間…!」

再生数は今9000。

あと1000…!

お願いっ…!

手をギュッ、と握る

30分

20分

着々と再生数は増えて行き、残り10分では9500 になっていた。

「…これ、行けそーお?」

「僕に聞かないでよっ…!
僕だってわかんないし!」

「…。」

口論する2人を他所に、蓮くんはただパソコンを見つめている

私もただパソコンを見つめた

「…っ…」

ギュッ

「えっ」

机に置いていた手を、蓮くんに握り返された

「…大丈夫だ。
この曲は、絶対いける。
俺を信じろ」

「…!」

その真っ黒に染まった瞳は、何よりも輝いていた。

暖かい光を宿して

「─うん…っ!」

残り1分

「いけ!」

「いけっ…!」

「いけ!」

「お願いっ…!」

カチッ

〘 1万回再生 〙

キーンコーンカーンコーン

「「「「ッ─!!」」」」

や、っ…やっ…!!

「「「「やったーーっ!!!」」」」

「1万回っ…!
いった!やったっ…!」

「…ほんとに、やった…?」

「っ…おっしゃっ…!!」

「っ…よかっ、たぁっ…!」

ほんとにっ…達成したっ…!

「紡!」

「えっ?」

「っ…ありがとな…!」

蓮くんに抱き締められる

「─!
…っうんっ!」

良かった。

本当に…彼等と共に、達成できたんだ…!

「って…悪いっ!」

ピョンッ! と効果音が着きそうなくらい飛び跳ねる蓮くんに思わずふふ、と笑ってしまう

「いいよ。平気」

そんな時だった

キーンコーンカーンコーン

『1thミッション終了をお知らせします。
そして、見事ミッション合格したグループ・ペアの名前を順次発表していく。』

名前が呼ばれていく

『Palette』

「!」

っ…良かったっ…!

本当に…良かった…っ!
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