落ちこぼれ芸能科ですが、演技の天才ヒロインが舞台で全員勝たせます。
でも、何かを考えるより先に、後ろから明るい声が飛んできた。
「はいはいはいはい!」
衣装担当の桃園えるちゃんが、きらきらした目で手を挙げる。
「今の、完全に嫉妬じゃない?」
「は?」
言ったのは、小春と蓮がほぼ同時だった。
「え、違うの?」
「違う」
「違うよね?」
小春が確認するように見ると、蓮は一瞬だけ言葉を詰まらせた。
「それは……」
「ほら! 詰まった!」
「桃園」
「きゃー、こわい!」
えるちゃんは楽しそうに笑いながら、小春の腕にぎゅっと抱きつく。
「小春ちゃん、気をつけてね。蓮くん、独占欲強そう」
「ど、独占欲!?」
「違う!」
今度こそはっきり否定した蓮だったけれど、耳が少し赤い。
それを見つけた瞬間、クラス中がざわついた。
「え、今赤くなった?」
「桜井が?」
「まじで?」
蓮はこめかみを押さえて、深いため息をつく。
「……いいから特訓を続けるぞ」
「ふふ」
「白雪、おまえも笑うな」
「でも」
「笑うな」
「だって、蓮くん」
「なんだ」
「ちょっとだけ、可愛い」
しまった、と思ったときには遅かった。
蓮の動きが止まる。
教室の空気も止まる。
次の瞬間、誰かの吹き出す声が響いて、そこから一気に笑いが広がった。
「はいはいはいはい!」
衣装担当の桃園えるちゃんが、きらきらした目で手を挙げる。
「今の、完全に嫉妬じゃない?」
「は?」
言ったのは、小春と蓮がほぼ同時だった。
「え、違うの?」
「違う」
「違うよね?」
小春が確認するように見ると、蓮は一瞬だけ言葉を詰まらせた。
「それは……」
「ほら! 詰まった!」
「桃園」
「きゃー、こわい!」
えるちゃんは楽しそうに笑いながら、小春の腕にぎゅっと抱きつく。
「小春ちゃん、気をつけてね。蓮くん、独占欲強そう」
「ど、独占欲!?」
「違う!」
今度こそはっきり否定した蓮だったけれど、耳が少し赤い。
それを見つけた瞬間、クラス中がざわついた。
「え、今赤くなった?」
「桜井が?」
「まじで?」
蓮はこめかみを押さえて、深いため息をつく。
「……いいから特訓を続けるぞ」
「ふふ」
「白雪、おまえも笑うな」
「でも」
「笑うな」
「だって、蓮くん」
「なんだ」
「ちょっとだけ、可愛い」
しまった、と思ったときには遅かった。
蓮の動きが止まる。
教室の空気も止まる。
次の瞬間、誰かの吹き出す声が響いて、そこから一気に笑いが広がった。