その青を描く ③
俺が柚月と出会ったのは小学校の頃だ。よくある話で、隣の家に引っ越して来たのがきっかけだった。
両親に連れられて挨拶に来たけど、すごい目つきで、睨まれてるのかと思った。そのとき、俺は女のくせに生意気だなと思って、睨み返したけど、今になって考えたら、あれは何にも興味を持たない目だと分かる。
小学生の間は何かと助けた記憶がある。なかでも、クラスのいじめっ子とはよくやり合っていた。あれも今になったら、相手が柚月を好きだったんだと分かる。
中学校までは一緒に登校することも多かったけど、高校になってからは少し距離を置くようになった。
その頃、柚月に何が起きてるのか、俺は分かってはいたけど、立場や年齢的にどうすることもできなかった。それを思うと、今でも心苦しくなる。
でも、柚月はそんなことお構いなしで、会えば明るく「大丈夫」って言うのが癖だった。
学校で困ったときは、お互いのクラスに行って、借り物をしたり、軽い相談なんかをするようになった。
それまで浮いた話もなくて、男っ気もなかったけど、急に俺がバイトしてた店で、働かせてくれと言われた。いや、待てと全力で止めたけど、一度言い出したら、聞かないのは分かっていた。
だから、理由を聞こうとしたけど、思い詰めたような顔してたから、理由はあとにして受け入れた。そのあとで、店の上司に相談したら、あっさり了承されて、面を食らった。
女の子だと言ったのが、余計だったと思った。でも、歳も若いから、店に出すことは上司も考えてないだろうと思った。まぁ、その考えは甘かったけど。
柚月が店で雑用係として働き始めたころ、羽振りのいい客が通っていて、その団体はいつも飲み方が悪かった。キャストにセクハラまがいのことを言ったりして、距離が近すぎたりして、ほとんどのキャストから煙たがられていた。
テーブルの上には、いつも肩書きのついた立派な名刺が置かれていた。そして何本もの酒が並べられて、権力を振りかざしてるようだった。
そういった客は珍しくないけど、来るたびに大声で話して、汚して出ていくから、店の中では誰もが目を光らせていた。
そのうちに、一人の若い男が増えた。いつものように、VIP席へ案内したら、男は端のほうへ乱暴に座った。態度の悪さで、関係者だと察したけど、そいつの目は、昔どこかで見たものと一緒だった。
両親に連れられて挨拶に来たけど、すごい目つきで、睨まれてるのかと思った。そのとき、俺は女のくせに生意気だなと思って、睨み返したけど、今になって考えたら、あれは何にも興味を持たない目だと分かる。
小学生の間は何かと助けた記憶がある。なかでも、クラスのいじめっ子とはよくやり合っていた。あれも今になったら、相手が柚月を好きだったんだと分かる。
中学校までは一緒に登校することも多かったけど、高校になってからは少し距離を置くようになった。
その頃、柚月に何が起きてるのか、俺は分かってはいたけど、立場や年齢的にどうすることもできなかった。それを思うと、今でも心苦しくなる。
でも、柚月はそんなことお構いなしで、会えば明るく「大丈夫」って言うのが癖だった。
学校で困ったときは、お互いのクラスに行って、借り物をしたり、軽い相談なんかをするようになった。
それまで浮いた話もなくて、男っ気もなかったけど、急に俺がバイトしてた店で、働かせてくれと言われた。いや、待てと全力で止めたけど、一度言い出したら、聞かないのは分かっていた。
だから、理由を聞こうとしたけど、思い詰めたような顔してたから、理由はあとにして受け入れた。そのあとで、店の上司に相談したら、あっさり了承されて、面を食らった。
女の子だと言ったのが、余計だったと思った。でも、歳も若いから、店に出すことは上司も考えてないだろうと思った。まぁ、その考えは甘かったけど。
柚月が店で雑用係として働き始めたころ、羽振りのいい客が通っていて、その団体はいつも飲み方が悪かった。キャストにセクハラまがいのことを言ったりして、距離が近すぎたりして、ほとんどのキャストから煙たがられていた。
テーブルの上には、いつも肩書きのついた立派な名刺が置かれていた。そして何本もの酒が並べられて、権力を振りかざしてるようだった。
そういった客は珍しくないけど、来るたびに大声で話して、汚して出ていくから、店の中では誰もが目を光らせていた。
そのうちに、一人の若い男が増えた。いつものように、VIP席へ案内したら、男は端のほうへ乱暴に座った。態度の悪さで、関係者だと察したけど、そいつの目は、昔どこかで見たものと一緒だった。