普通の貴族だと思って結婚したら、身分を隠して潜伏する王太子様でしたー!? ……離婚します!
早馬に乗ってきた知らせなので、一刻も早く署名して送り返さねば。
いまのエッセン伯爵は仮の名前だけれど、後から見せてもらった結婚証明書には彼の実名たる王家の名前で書かれていた。
すぐ後に署名したのに、私が気がつかなかったのかと言われれば、もう何も言えない。私はそれほどまでに、実家の面倒事から逃れたかったのだ。
結婚に対して喜びしかなかった。
「奥様。旦那様なら、いつもの遠乗りに行かれたのではないかと」
「あら……そうなのね。急ぎだから、厩舎のほうを探してみるわ」
アルベルトの趣味は乗馬で、エッセン伯爵家には名馬と言われる馬を飼育していた。非常にお金が掛かるけれど、隠れた王族だからこそ、それができる……そういうことよね。
ただ、アルベルトが隠れた王族であることは極秘とされていて、知る者は非常に限られるらしい。
私も離婚をすれば誰かにいうことができるかもしれないけれど、家族は全員殺されてしまうだろう。別に脅された訳ではない。彼の父親がそういう人だから、容易に想像がついてしまうだけだ。
私は書類を手に足早に進み、厩舎の方までアルベルトを探すことにした。
いまのエッセン伯爵は仮の名前だけれど、後から見せてもらった結婚証明書には彼の実名たる王家の名前で書かれていた。
すぐ後に署名したのに、私が気がつかなかったのかと言われれば、もう何も言えない。私はそれほどまでに、実家の面倒事から逃れたかったのだ。
結婚に対して喜びしかなかった。
「奥様。旦那様なら、いつもの遠乗りに行かれたのではないかと」
「あら……そうなのね。急ぎだから、厩舎のほうを探してみるわ」
アルベルトの趣味は乗馬で、エッセン伯爵家には名馬と言われる馬を飼育していた。非常にお金が掛かるけれど、隠れた王族だからこそ、それができる……そういうことよね。
ただ、アルベルトが隠れた王族であることは極秘とされていて、知る者は非常に限られるらしい。
私も離婚をすれば誰かにいうことができるかもしれないけれど、家族は全員殺されてしまうだろう。別に脅された訳ではない。彼の父親がそういう人だから、容易に想像がついてしまうだけだ。
私は書類を手に足早に進み、厩舎の方までアルベルトを探すことにした。