普通の貴族だと思って結婚したら、身分を隠して潜伏する王太子様でしたー!? ……離婚します!
 彼らはくくくと嫌な笑いをして、私はあまりのことに目を見開いた。なんてこと! アルベルトの元へ向かうので必死で、後をつけられているなんて思わなかった!

「黙れ。妻を侮辱することは許さない」

 アルベルトは静かに腰から剣を抜き、馬を降りた彼らと対峙した。

 戦いが始まるのは、すぐだった。カンカンと金属音が響き、私が驚いたのは守られる王子様であるはずのアルベルトの強さだった。

 顔を隠した彼らは、訓練された暗殺者だろう。それが何人もいる。けれど、アルベルトは彼らを逆に圧倒するかのように、一人一人地に沈めて行った。

 私が驚きつつ彼らを見つめていたら、いきなり首をぐっと絞められて、後ろから野太い声がした。

「おいおい! この大事な妻が殺されてもいいのかぁ!?」

「……やめろ。武器は捨てる」

 あと、暗殺者を二人まで追い込んでいたアルベルトは、呆気なく手に持っていた剣を捨てて両手をあげた。

 私は手を口に当てられていて、何も言えなかった。

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