魔法より、君に恋をする。
 昼食を終え、教室へ戻る途中だった。

 突然、学院中に鐘の音が響いた。

 一度。

 二度。

 三度。

「何?」

 リリアが立ち止まる。

「緊急鐘じゃないですよね」

「違う」

 ルシアンは廊下の窓へ目を向けた。

 中庭で生徒たちが一斉に空を見上げている。

 次いで、拡声魔法による教師の声が学院中へ響いた。

『全生徒に告ぐ。本日午後の授業は変更となる。各学年、指定の大講堂へ集合せよ』

「何かあった?」

「たぶん――」

 ルシアンが言いかけたところで、廊下の向こうから生徒会役員が走ってきた。

「会長!」

「どうした?」

「理事会から正式な通達です。今年度の春季実戦祭、開催日程が決まりました!」

「……ああ」

 ルシアンは納得したように頷いた。

 リリアは首を傾げる。

「春季実戦祭?」

 役員が驚いた顔をした。

「知らないの?」

「はい」

「アルカディアで知らない人いるんだ……」

「一年生なので」

「入学案内にも書いてあるよ」

「読んでない」

「リリア」

 ルシアンが額を押さえた。

「何ですか?」

「いや。君らしい」
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